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はたらくハンザくん

「なんじゃ、おまえ  耳が遠いのかい?」


いやいや、。

そりゃ、いきなりココに住めとか言われたら普通のヒトは訊き返すもんやで?


( ふふん、  、妾が、しかと話をつけておいたぞぇ?)


オマエか。。

いやそら部屋は探さなあかんけどもさ。

何でこんな倉庫みたいなトコに住まなあかんのよ。


、いや。 でも立地は良いかもしらんな。

西門街は門に近いほど住居が少なくなって物件も少ない。店と倉庫と運河ばっかだもんな。

中央街に近づくほど居住環境はよいが家賃も高くなる傾向だそうだ。

あ、コレ本部のあのご婦人お姉さんに頂いたアドバイスね。


ココはまあ、言ってみれば西門街と中央街の境い目あたりで、路地裏だけど生活の便はよいところだ。

すこーしガラの良くない旧市街に近いけど、まあその辺りはトールさんにとっては、あんまりデメリットじゃないしな。


ていうか、この婆さん(熟女)と同居すんの?

いや、それって世間的にみたらどうなんやろな?


「よく考えれば、おまえが此処におればステリア様のお世話にも儂の目が届くというもの 」


いやいや、トールさんにメリット皆無やん。

なんなの?その魔族ファーストな提案。


「 もちろん、家賃も要らぬ。 」


え、まじ??

家賃いらんて。

この婆さん、こんな気前よかったっけ?

元魔王の口利きハンパねえな。


てか住むってもさ、ココ店やん。

部屋とかあるんか??


「二階は、まるまる空いておるでな。 二部屋あるから好きに使うがいい」


あー、二階ね。

言われてみれば、婆さんの座っとる奥に階段あるな。 、、初めて気がついた。


「水廻りは離れの儂の部屋にしかないが、、どうせおまえ、寝に帰るだけじゃろう?」


まー、確かに。

飯は外で食うのがほとんどだし、風呂も洗濯も外だからなあ。

【無限収納】あるから水とかお湯とか困らんし。

月のうち少なくとも10日くらいは野営だから、ホントに休みに寝に帰るだけなんだよな。


えー、じゃあココで問題ないか。

・・・、ないのか??







「えーーーっ! 、トールさん、、出ていっちゃうの!?」


その日の夜、来週から【運河の畔亭】を引き払うという話を厨房の女将さんとしていたら、リーズの甲高い声が響いた。

こっちは食堂のカウンターでリーズは入り口近くという結構離れた場所。

しかもかなり声を抑えめにして話してたんだど、、なかなかの地獄耳だな。


「 仕方ないだろ? トールさんだっていつまでも宿暮らしって訳にゃいかないんだからさ」


「ぇえー、でもーー  急じゃない?」


あー、ホラ。

あっちでお客さん呼んでるよ?


「 ごめんなさいねぇ、いつまでも子供でさ」


いえいえ。

まあ急な話では、あるからね。

あの道具屋店主の魔族の婆さん(熟女)、明日からでも来いとか抜かしてたけど。


女将さんには、昇格したら家を探さなきゃならないって事情を説明して、何だかんだ準備してとかしてたら、まあ早くて来週からかなあ。


「 でも寂しくなるねぇ、 こないだのカリーも最近売り出したんだけど、めちゃくちゃ好評で助かってたんだよ」


またまた。

そんなん無くても、ここんち評判いいからなあ。


「まあでも、同じ西門街だろ? ごはん食べにいつでも来なよ? 」


「絶対だからねっ!」


あ。それはもう。

自炊設備とか無いので笑


この【運河の畔亭】はギルドの西門支部から道具屋までの途中だからな。

ほぼ晩飯はココ一択だと思うよ?

アビイのパンも女将さんの料理も、絶品だからな。


よし、じゃあそれで決まりって事で、あした支部に届け出して、向こうの部屋を準備して。

あ、ウーバイにも伝えとかないとな。


俄然、忙しくなってきたな。








オレの名前は、ハンザ。

生まれた村は、、、 ドコだったか、分かんねえ。

ココよりもっと山の方だったと思うけど、もっと小さい村だったよ。


いまはリオレっていう街で、冒険者ギルドの、えーと、【しょくいん見習い】てのをやってる。

なんかおれ、【台帳】?てのに書いてない子供らしくて、ホントにドコの誰か分かんないらしいんだけど、この冒険者ギルドの偉いヒトが何とかしてくれたみたいで、【ハンザ・10歳】ってことになったらしい。

10歳からならその【しょくいん見習い】ってので雇えるからだって、言ってたな。


たぶんおれ、6か7歳のはずなんだけど、体が大きくて力もあるから10歳てことになったんだって。

歳のことはそのうちどうとでもする、ってその偉いヒト言ってたな。 それって、どうとでもなるもんなんかな?

まあ、どうでもいいや。


【鑑定板】ていうへんな道具で分かったんだけど、おれには【身体強化】っていうスキルがあるんだってさ。

おれ、もっと小さい頃から、頑張るとスゲえ力が出せたのはきっとこのスキルってののおかげなんだろうなあ。


で、12歳になったら冒険者になれるんだって。


おれ、ついこの前まで悪いヤツらに売りとばされてたんだけど、ソコから助けてくれたのが冒険者のオジサンだったんだ。


えーと、トールさんだ。

オジサンて言うとさ、ちょっと怒られるんだよな。


トールさんは、見ためは弱そうな感じなんだけど、戦ったらめちゃくちゃ強えらしい。

このまえなんか昇格?したらしいし。


おれ、あんな冒険者になるんだ。

おれの父ちゃんも冒険者だったらしいし。

まあ、顔も知らないんだけどさ。


冒険者はさ、強くて、カッコいいんだ。


今はまだまだあんなふうになれないけど、あと2年のうちにたくさん頑張って、絶対になるんだ。



あ、いけね。

この届け物、急ぎで頼まれてたんだ。

えーと、 【しんじゅのつどい】、【しんじゅのつどい】、中央街のでっけー建物、と。


早く持っていかないと。

よーし、【身体強化】だーーーっ!



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