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【気化】1up!

「 乾杯っスーーーーーッ! 」


冒険者酒場【愚者の掃き溜め】の一角。

何故か場を仕切ってるチャコさんの音頭で、宴の幕は切っておとされた。


「 首領がひょっこり出てきやがるとか、オメー運良すぎだろ」


速攻で絡んでくるバースくん。

獣人は酒好きが多い。すぐ酔う。抜けるのも早い。

乾杯の一杯で一気に酔ってる。


「 さすがトールさんッス! 持ってるっス  カミーユさんも大活躍だったて聞いてるッスよ!」


「 あああ、アタシはほら いつもと変わらず盾持って突っ込んだだけだし、」


おお、何気にカミーユさんがまともに喋ってるの初めて聞いたかも。

口数が少ないタイプだったけど、、なんか女子っぽい。

いや、失礼。女子だった。

ちょっとプロレスラー並みの体格で筋肉ムキムキだけど、おっぱい(胸板)豊満だしねっ。


「 わははッ トール殿には運命神様の御加護がありますゆえな。 尊き神の導きですぞ」


隣に座るウーバイくんが豪快に笑う。

コイツもまだ一杯目で酔ってないくせにスタートダッシュが速いな。  ・・・コミュ力の獣め。

ガッシリと肩を組まれて、汗臭い。離れろ。


「おまけで拙僧もランクアップできましたからな、 これからもイロイロとご指導よろしくお願いいたしますぞ!」


カミーユさんが何故か鼻血出して首トントンしとるけど、大丈夫か?

山賊討伐の回復要員として駆り出されたウーバイくん。ちゃっかりとC級に昇格しとった。

まあコレは、とっとと彼のクラスを上げたいギルドの既定路線だったんだろうけど。


今回の昇格試験で、バースくんとカミーユさんも順当にB級へ。

あ、トールさんもね。


「 てかコレ、賭けはどーすんだよ? まさかオメーまで通るとはなあ、」


あー、バースくん。

チャコさんの前で賭事の話とか、良くないなー。

そーゆう退廃的なのは教育上よろしくないよ?


「 まあ、ドローだろう。 今日は胴元の私が持ってやるよ 」


いつもの山高帽を外した金髪サラサラのキャンデラさんが、静かに杯を煽った。

・・・かっこええ。大人の所作だなあ。

あ、このヒト300手前だったわ。


「えーー! キャンデラさんゴチッッスーーーーーッ!!」


あーー。間髪いれずにチャコがカウンターに走って行った。 アレ、めっちゃ食い物注文しとるぞ。

アイツちっこいのにアホ程食うからな。知らんぞトールさんは。


てかあかん、開始早々で既にカオスやんけ。

なんなんや、この飲み会。


「 なによぉ、あなた主役でしょ? ホラ飲んでのんで 」


なんやブルーダ、キミまんまキャバ嬢やんけ。

谷間とフトモモに教育的指導いれんぞ、コラ。

あーもう、コイツ魔力放出しとるからヤケに体温高いんよ。  くっつくなよ、興奮しちゃうじゃないか・・・。


(キャバ嬢とはなんぞぇ。 おぬし、こーいうのが好みなのかえ?)


あーーーーーっ。

なんとかしてくれーーーッ!








・・・なんていう最悪の飲み会の翌朝。


「うーーー、あたまいてぇ」


【運河の畔亭】一階のカウンターに突っ伏していると、コトリと木のカップを置く気配がした。

あー、リーズかーー。

ごめんなー昼営業前の忙しい時に。

部屋掃除のアビイに追い出されちゃったのよ。


「だ、大丈夫?? 」


あー、だいじょーぶー。

やさしーねー。ありがとー。


懐をゴソゴソ漁るフリして【無限収納】からポーションを取り出してあおる。

リーズのくれた水でクソ苦いポーションを押し流すと、頭が痛いのと胸がムカムカするのが徐々に引いていった。

この前知り合った教会の錬金術師さんにお裾分けしてもらった上級ポーションのB品だ。

規格外のB品とはいえ、壮絶なポーションの無駄遣いだな。


やっぱ安酒は悪酔いするな。

あー、ウイスキーとか焼酎とか、飲みたいなあ。



まだ少し頼りない足取りだけど、このままカウンターを占拠してると女将さんにドヤされかねん。

ギルドからも呼び出しがあったみたいだし、行かないとあかん。 まあ用件は昇格に伴うアレコレだろう。


不安そうに見送ってくれるリーズにお礼代わりに銀貨を何枚か握らせて扉をでた。


うーん、昼前の太陽は脳天にクルねえ。

そういえばこの世界って季節とかどうなっとんのやろか?

トール氏記憶ではそもそも四季の感覚が無いってことは、年中こんな感じなのかな??


(何を言っておる。 夏もあればちゃんと冬もあるぞぇ? おぬしの元人格は、よっぽど頓着の無い男だったのかの)


あー、そーなの?

じゃ、今は初夏くらいかね。


あ、そーだ。

ステータスってどうなっとるんやろ。

まず、素の状態が、、


☆トール・エアリス

☆種族 ヒューマン(男)21才«new»

☆職業 冒険者(ランクB)«new»

☆体力 B+«new»

☆魔力 C−

☆耐久 A«new»

☆敏捷 B++«new»

☆知性 A«new»

☆運勢 B−

☆加護 運命神の導き

☆所持スキル 【剣使い】【気化】【ステータス確認】【異世界知識】【無限収納】


おっ、なんか歳くってる?

前にステータス見たのが、、1週間くらい前だったかな?

その間がトールさんの誕生日ってわけね。


で、体力・耐久・敏捷・知性がアップ。

、、魔力は、どーにもならんのかね。。。




そんで【剣使い】補正がかかったら、、


☆トール・エアリス

☆種族 ヒューマン(男)21才

☆職業 冒険者(ランクB)

☆体力 A++«new»

☆魔力 D

☆耐久 A++«new»

☆敏捷 A+«new»

☆知性 A

☆運勢 B−

☆加護 運命神の導き

☆所持スキル 【剣使い】【気化】【ステータス確認】【異世界知識】【無限収納】


☆【剣使い】

☆等級 A

☆LV 24

☆剣を扱う時に常時発動

重量操作・体力増加・体捌き(オート)・威圧・瞬脚(疾)・気配察知



【剣使い】は、変わらず。

流石にそうポンポンとは上がらんよな。

てかコレ、ギルドに報告せなあかんのかな?

トール氏記憶だとスキルツリー的に【剣使い】は【剣豪】・【剣聖】に至るスキルのはず。

まあ、ヒューマンの寿命だと精々【剣豪】まで。

キャンデラさんの【剣聖】は、あの寿命だからこそ到達できる高みだろう。


、で。【気化】は、と。



☆【気化】

☆等級 SSS+++

☆LV 16«new»

☆全ての物・事象・魔物・生体を気体に変える事が可能 呼吸を止められる間は自分も気化可能

・・・正直に言うよ? ボク長年神やってるけど、ヒューマンで身体変化できるのキミしか見たことないからね?





【気化】、、。

アレか。あの趣味の悪いコップを気化した時に上がったのか。。

自分を気化したら、、どうなるんやろ?

怖すぎて検証したくないわ。

まあ、後で落ち着いたら考えよう。


で、身体系ステータス的にはウーバイくんは超えたな。 キャンデラさんにはまだまだ及ばない感じだから、魔力が低いのを考慮して大まかにA級なりたてくらいな感じかな。



(しかし、器用なもんじゃの 普通その手のスキルは、かなり集中しておらねば行使すらできんもんじゃぞ?)


目の前に浮かぶ半透明な確認画面を見ながら人混みを避けながら歩いていると、元魔王が呟いた。


いや、だってコレスポーツ紙くらいの大きさのウィンドウで半透明だからな。

クルマのヘッドアップディスプレイみたいなもんじゃん。

スマホのながら歩きより、よっぽど安全だぜ?


( ?スマホ ?? よく分からぬが、【オクリビト】じゃしまあ、よいかの)



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