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結局、【気化】かよ

先に動いたのは、トールさんだ。

いや、正確には盾持ちスケルトンが動こうとしたから先の先をとった。


半包囲してきてる多勢に、先手を譲るほどトールさんは優しくない。


狙いは左側のハルバード持ち。

瞬脚2回ですり抜けざまに抜刀。

重たい長柄武器を構えてるからか、甲冑の隙間が多い脇がガラ空きだ!


一閃で脇腹辺りから背中の甲冑へと抜けるラインを斬り裂いた。

3歩めの瞬脚で盾持ちを飛び越えて斧持ちに体重を乗せた兜割りッ。

咄嗟に反応したのか、ちょっとズレて肩から脇へと袈裟に両断。

着地と同時に盾持ちの背中に柄当てからの片手突きで頭部の甲冑をはじき飛ばした。


足を止めた獲物、と判断したのか。

残りのロングソード持ちが殺到してくる。

雑兵スケルトンと違って、反応速度が格段に速い。


それでも重装。

鎧どころか革の防具しか着けてない敏捷A−のトールさんのスピードになんか尾いてこれる訳がない。

大きく体勢を崩した盾持ちの脇をすり抜けて、一旦離脱。

摺り足のような瞬脚で、ヌルリと集団から抜け出した。



てか、3体とも生身の人間なら即死レベルの損傷なんだけどなあ。

アンデッド、ずるくない?

脇から背中を斬り裂いたハルバード持ちは、ちょっと損傷が激しいのかまだ立ち上がらないけど、斧持ちと盾持ちは既に臨戦態勢だ。

盾持ちとか、頭ないんだけど。。。


おっとココでハルバード持ちが後ろの元魔王結界に吸い込まれていく。

器用に少しだけ結界に穴を開けてるのかな?

めっちゃ細ーーく吸い込んでるわ笑


( 、うむうむ、善いぞよいぞ  上位種は格別に滋味溢れるわ)


お、おお。 そうか。

満足していただけてよかったよ。

完全に霞化しなくてもある程度弱らせれば吸えちゃうのね。





あ。

よく考えたらさ。



目の前に迫ってくる重装のダークスケルトンの一団。 やっぱ、魔物なんだな。

本能というのか、衝動というのか、。

ヒトを襲わないと気がすまないんだろうけど、。

そんな風に一直線に近づいて来ると、さ。



【気化】


7体まとめてロックオン。

ちょっと中二っぽく、クワッ ってしてみた。


一瞬で真っ黒の靄に。 

最初からこうしとけば良かったわ。









「 あー、やはり曲がってしまいましたな。。」


ウーバイくんが勢いよく鉄棍を地面に突き刺して、ため息をついた。

え? 拳の骨、曲がっちゃったの??


「ああ、や  棍の話ですぞ? 拙僧おそらく教会一、拳の怪我を治しておりますゆえ、な」


あ、そう、 、ね。

じゃあ、コレ予備の鉄棍ね。

【無限収納】から預かっていた予備を出して渡す。

コイツ今までどんだけあんな無茶苦茶しとったんやろか。

砕けてくっつけて、また折れて治してを繰り返してあの巨体が作られていったのかな。

なんとなく納得しちゃったよ。


「 トールどのは、お怪我は? 」


んー、ないなあ。

てかキミみたく激しい戦闘してないし。


日本刀こしらえてもらってからこっち、クモ斬ったり山賊斬ったり、なんかバトル路線だったんだけどなあ。

よく考えたら、コレ【気化】なんていう微妙スキルが実はチートスキルだった、っていう話だったっけ。

あぶないアブナイ。 あやうくバトルルートに入るとこだったよ。

トールさん、そーいうのガラじゃないのよ。



☆【気化】

☆等級 SSS+++

☆LV 12«new»

☆全ての物・事象・魔物・生体を気体に変える事が可能

最近使ってなかった割にはレベルは上がってるね。

まあ、これ以上っていうと末恐ろしいけどね。



前回見たときよりLVが2上がってるけど、性能の顕著な変化はなさそうだ。

これ多分2上がったのは、ほとんど今のダークスケルトンアーマーなんじゃないかな。


( そーじゃった、おぬしにはその訳のわからんユニークスキルがあったんじゃったな)


こらこら。

運命神さまのご加護の賜物なんだから、余計なコト言うんじゃないぞ?


(なんじゃ、そこな坊主には秘密なのかえ?)


あー、この念話。

オープンチャットとクローズと切り換えるのが元魔王次第だからうっとおしい。

まあええ、お前余計な事喋るようならウーバイごと【気化】してやるから覚悟しとけ?


( おお、おー、恐いのう )


それよりアーマー8体分の魔素は美味かったか?


(おう、それよそれ。 なかなかに美味であったなあ。 おぬしのスキルで霞に変えると吸収も良いようじゃ)


えーと、【剣使い】は、と。



☆【剣使い】

☆等級 A

☆LV 24«new»

☆剣を扱う時に常時発動

重量操作・体力増加・体捌き(オート)・威圧«new»・瞬脚(疾)«new»・気配察知



こっちもLVが2上がって、威圧効果が威圧に、瞬脚に(疾)がついてる。

なんやろ(疾)て。

あー、瞬脚の出足が一段増した感じがしたのは、コレかな。



まあ頑張ったよな。うん。



てかさ。

ココに来た時から気配察知でビシビシ伝わってくる動かないドデカい殺気。

これ、このエリアのボスやないんの?


( これは、おそらく封印されとるナニカ、じゃろうな )


「封印、ですとな?」


(  相当に邪な思念のようなモノよの 、 封印もかなり経っておる感じじゃしの)


封印、ねえ。

なんかホラー回の感じになってきたな。


( ワクワクするのう♪ )


あ。やっぱ行く感じ??


(当たり前じゃ! 妾のよい贄になりそうじゃ)


だよ、ねーー。 うん。

まあ借りを返さないとだもんな。


「この離宮に封印されておる、という事は 、王族絡みの線が濃いですな 」



・・・おいおい。

なんだおい、それ面倒くさそうだな。

大丈夫なん? そんなん手ぇ出してさ。




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