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◆第2話『誰も知らない“ママAV女優”の仮面――清楚たちの共演舞台で』



 


 その日、都内某所の大型撮影スタジオには、

 AV界の“清楚系”を代表する女優たちが集結していた。


 


 深田えいみ。三上悠亜。紗倉まな。

 上原亜衣、大槻ひびき、松本いちか、天使もえ。

 さらに、水卜さくら、小島みなみ、石川澪、桜空もも、涼森れむ、波多野結衣――


 誰もが知る“美”の象徴であり、男たちの憧れの対象。


 


 そしてその中心に、“如月美咲”の名があった。


 美咲は、静かに化粧を整えながら、共演者たちの軽口を聞き流していた。


 


「美咲ちゃんって、いつも完璧だよね〜。身体の管理どうしてるの?」


「ねえ、ぶっちゃけ誰かと付き合ってる? スタッフ? 男優?」


「ちょっとー! そういう下世話な質問やめなよ〜、ね? 美咲ちゃんって、恋愛しなさそうなオーラあるもん」


 


(……ふふ、ありがたいわ。そう思ってくれてるうちは、楽でいい)


 


 誰も、彼女が【既婚者】だなんて思わない。


 誰も、彼女が【母親】だなんて疑っていない。


 ――それが彼女の“生存戦略”であり、“仮面”だった。


 



 今回の撮影は、清楚派女優12名による大型作品。

 テーマは、《一夜限りの女神たち》。


 設定は「高級ラウンジに集まった12人の女神と、男たちとの濃密な夜」。


 共演男優は3名。

 1対1のシーンに加え、3P・4P・女優同士の絡みも盛り込まれた高密度の構成。


 


 カメラのセッティングが進むなか、悠人――彼女の“夫”でありマネージャーである俺は、スタッフルームで撮影プランを確認していた。


 だが、内心は荒れていた。


 


(これだけの女優がいて、美咲だけは“母親”で、“妻”で――それでも彼女たちの中で、誰よりも“演じ切る”つもりだ)


 


 嫉妬? あるに決まってる。


 だが俺は、今日も彼女を守るためにここにいる。


 



 撮影開始。


 シーン①:3人の男優に囲まれるシャンデリア下のソファ。


 シーン②:美咲と石川澪、そして橘凌真の3P。


 シーン③:美咲と三上悠亜による“女同士”の口づけと、官能のボディキス。


 


「ちゅ……ん、く……っふ……やわらか……」


「ふふ、こっちの舌も欲しがってるんじゃないの?」


「……あぁ、んっ……」


 


 肌が擦れ、声が重なり、汗が滴り、指が這う。


 AVとして最高峰の“見せ場”が、次々と展開されていく。


 


 そして、シーン④――


 “如月美咲”が、凌真と“2ヶ月ぶりの単独本番”を行う。


 


「ん……久しぶりだね、凌真くん……」


「やっぱ、清楚な美咲が一番そそるわ……。その顔で喘ぐの、ずるいだろ」


 


 カメラは、彼女の背中のライン、肩甲骨の動き、口元の濡れた糸までを切り取る。


 挿入。

 身体が跳ね、吐息が熱を帯びる。


「ん……んっ……だめ、でも、もっと……奥に来て……!」


 


 俺は――モニター越しにすべてを見ていた。


 誰も知らない。その声を、家でも聞いていること。

 その腰の動きも、その乱れた髪も、俺だけが知っている“素顔”を持つこと。


 でも、現場にいる彼女は完璧な“清楚な女優”だ。


 



 撮影後の控室。


 深田えいみがふと、美咲に近寄った。


「……ねえ、美咲ちゃんって、やっぱすごいわ。どの男優相手でも、絶対に“惚れさせない距離感”保ってる」


「えっ、逆に惚れさせてないの?」


「ないない。あれが“職人”の技ってやつよ。……ま、マジで裏で恋愛してるなら絶対バレないタイプ」


「え〜、それって逆に怖くない? ほんとに彼氏とかいたりして~」


 


 ――誰も気づかない。

 彼女の結婚指輪は、今日も左手薬指に“日焼け跡”だけを残していた。


 



 帰宅。夜。


 子どもたちはすでに寝ていた。


 美咲は風呂上がりにバスローブ姿で、ソファに腰を下ろす。


「……疲れた?」


「ちょっとね。でも……気づかれてない。誰にも」


「だろうな。完璧だったよ。誰より“如月美咲”だった」


「……それでも、家では“ママ”なんだよね」


 


 彼女はふっと笑い、俺のシャツの裾を引いた。


「悠人くん……今夜も、マネージャーじゃなくて、夫でいてくれる?」


 


 そう言って、そっと俺の手を自分の胸元へ導いた。


 今日、他の男たちに触れられた身体。

 でも、それでも、ここだけは“俺の場所”だと証明するために。


 


 俺は、何も言わずに彼女を抱いた。

 何度も、何度も、重ねながら。


 “誰にも知られない家族の夜”が、静かに深まっていった。


 



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

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