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猫は、魔女に言ったの。



『自分の力なら、一番幸せな未来を見ることが出来る』

『けれど、それをそれを伝える術は僕にはないんだ』

『だから、僕の代わりにそれを伝えていって欲しい』

『折角見た未来だ、叶えたいんだ』と。





魔女は了承し、猫は魔女の使い魔となったの。











………ここからは貴方も知っている通りよ。




魔女は、数多の呪いをかけた。




始めは少し出会いを誘導するだけで良かったのだけれど、そのうち、そうもいかなくなってしまって。


幸せな未来であればあるほど、たどり着くまでに払わなければならない苦難も大きなものになったの。






だから、魔女は、呪いをかけた。






幸せな未来を迎えさせる為に。



それが、呪いをかけることしか出来ない魔女が、人々を幸せにするための、唯一の方法だったから………








ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー







………話はここまでよ。


それにしても貴方、聞き上手なのね……話を肴に、ついつい飲み過ぎてしまったわ。

あら、貴方は全然なのね……飲まないの?





え?

この話は真実なのかって?



……さあ、それは私からは何とも言えないわ。

この話が真実かどうかなんて、私には証明する手立てがないもの。


どうしても証明したいなら……そうね、魔女本人を連れてくるしかないんじゃないかしら?





魔女の容姿について?

……残念ながら、詳しくは知らないわ。

ただ、白銀の髪を持っている、と聞いたことはあるけれど……




「……お前のように、か?」



……貴方、酔っているの?

私の髪は、白銀などでは「……その色はお前には似合わない。 元の色に戻すべきだ」



……………。

……何故貴方が私の髪色を知っているのかしら?

以前に何処かで、お会いしたことがあったかしら?




「……ふっ。 気付かないのか、魔女?」




……何のことかしら?

私が魔女、ですって?

……随分と、面白い冗談ね。




「見ず知らずの男の前で酒を飲み、そんな話をして……挙げ句、そんな無防備な姿を晒すなんて………」




……ちょっと、人の話くらい聞きなさいよ。




「俺は怒っているんだよ、ジーニャ?」




…………どういうこと?

貴方………誰なの………?




「……まだ気付かないのか? ふむ……俺は誰よりもお前の近くに居ると自負していたんだが」




私の近く……?

私の近くに居たのは、あの子ーーリオネルだけよ。

貴方なんて、知らな「俺がそのリオネルだと言ったら?」




そんな………あり得ない!


だってあの子は、猫なのよ!?

いくら魔法猫だと言っても、人間になれるなんて聞いたことがないわ!?

その逆ならまだしーーーーえ………逆………?




「そうだよ、ジーニャ。 猫が人間になるのではなく、人間が猫になる……これなら、可能だろう?」





可、能……だわ………。

で、でも……そんなこと………。



それに!

可能だからと言って、貴方がリオネルとは限らないわ!




「……強情だな、ジーニャ? 別にお前がどう思っていても構わないが………お仕置きは、させてもらうぞ?」




……お仕置き、ですって?

何故私がそんなものを受けなくちゃならな「さっきも言っただろう? 見ず知らずの男の前で酒を飲み、そんな無防備な姿を晒した罰だ」




はぁ?

意味がわからないわ!?


大体貴方、名乗ってすらいないじゃない!


仮に、リオネルが人間で、それが貴方だったとしましょう!

だったら貴方は何故、私の使い魔の様に振る舞っていたの!?



………未来予知の魔法に加えて、長期にわたる変化の魔法……貴方の力はとても強い筈よ。

私も魔力は強いけれど、貴方だって同じくらい強いもの……私の側に居るメリットなど何もないわ。



………理由を、答えて。




「単に、花嫁を逃がさない為だが?」




………花嫁……?




「俺は、ルフィリア魔法皇国の王だ。 姉上が俺の為に、美しい花嫁を育て上げてくれたのさ」




姉上……「お前からすれば、師匠、か? それで、俺がお前の側に居た理由だが……我が花嫁が苦しんでいたら、未来の夫たる俺が支えてやるのは当然、だろう?」




…………………。


…………………え……?


………………………いやいやいや、ちょっと待っ「もうお前の質問には答えただろう。 ………さて、お仕置き、だな?」




………はぁ!?


ちょっ!?!?




「待たない」




………やっ、ちょっ、きゃぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?















ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー











……………これが、本当の魔女のお話、ですよ?


これはこれで、王道、というやつなんですかねぇ……?





あぁ、この後のことが知りたいんですか?


まぁ、ルフィリア魔法皇国に、王妃が誕生した、とだけ言っておきましょうか。




え?

ひねりがない?



それを私に言われても、ねぇ……。

魔女ーージーニャさんが優しすぎるのが原因なんですから、私に言われても困りますよ。


彼女の力なら、夫に呪いをかけて逃げ出すことくらい出来る筈ですからねぇ。



………そうなっていないどころか、随分と子沢山のところを見ると、幸せなんじゃないですか?




いやはや、お目出度いことですねぇ。






……うん?

私は何者か、ですか?


ただのしがない、酒屋の店主ですよ?

ちょいと、聞き耳は立てさせて貰いましたけど、ね?


最後だけ、長くなってしまいました。。。



ジーニャさん、やられっぱなしです!

それにしても、主観は相変わらず話がぶったぎれますね………


補完の役割も兼ねて、リオネル目線……需要、あります?;;

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