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第二十九話 裏話 ルカ視点


私は、声と態度とスタイルだけはトップ級の、自他共に認める大天才美少女女優(星野ルカ)。

だけど、ぶっちゃけ私の魂は、前世でしがないアイドルオタク(男)のボッチだったのよね! 前世では「オタク仲間をたくさん作って、みんなで推しを追いかけるんだ!」って不純な理由でオタ活をしてたんだけど、結局そこでも上手く馴染めなくて「これって本当に友達なのかな……」ってずっと疑問だったの。だがある時、イベントの帰りにオタク仲間を暴走トラックから身を挺して突き飛ばして庇って、そのまま現代の日本にTS転生しちゃったのよ。


「普通、転生って言ったら異世界で勇者になってハーレム無双とかじゃないの!」って思ったけど、鏡を見たら超絶美少女だし、頭脳は大人(元オタク)、身体は子供!

「これ、子役になれば芸能界で完全無双できるじゃん!」って確信して、あの伝説の映画『友達100人』のオーディションに乗り込んだの。そしたら……まさかの大河内駆(カケル)っていう本物の化け物天才子役に完膚なきまでに叩きのめされて、主役の座を奪われたのよ!


それから時は流れて、あのカケルが芸能界を引退して、友達0人のリアルボッチ高校生としてレンカノに溺れてるっていう極秘情報を耳にしたの。

「ついに私のリベンジの時が来たわ! カケルのところへ行って『今どんな気持ち?』って煽り散らかして、日陰者の惨めさを味あわせてやるわ!」と、オタクの執念でこのマイナーなレンカノサイトに電撃登録し、カケルの予約枠を力ずくで上書きしてやったの。


そうして迎えた、駅前カフェでの再会。

私は最高の煽り顔で「ねぇ今どんな気持ちぃ!?」ってブチかましてやったんだけど、あいつの予約ページや学園での現状を調べたら、とんでもない現実が発覚したわ。

ボッチで寂しがっているどころか、白雪詩織や西園寺麗華、蓮に未来まで、業界のトップ美少女たちに全方位から囲まれてモテモテの爆心地になってるじゃない!

元ボッチの私からしたら、あまりにも理不尽で、激しい嫉妬が燃え上がったわ!


「こうなったら作戦変更よ! 私のこの完璧な美貌でハニトラを仕掛けて、あいつを私にガチで惚れさせてから、その周りの女たちとの関係を全部粉々にぶっ壊してやるわ! そうしてカケルを本当の孤独に引きずり落としてやるんだから!」


そう意気込んで、強引にカケルの手を握ってハニトラを仕掛けてやったのよ。

なのに、一般人になったカケルは、私の目をまっすぐ見つめて「周囲の目が集まるから座りな。君のそういう分かりやすいところ、嫌いじゃなかったよ」って、もの凄くインテリジェンスでスマートな言葉を叩きつけてきたの。

椅子をスッと引く手つき、視線の配り方、および私の過去の空回りを誰よりも解ってくれている、あの洗練された大人の男のオーラ……!


……絶句したわ。

ハニトラを仕掛けるつもりが、私のハート(※前世は男)の方が、一瞬であいつの底知れない『大人の男の魅力』に完璧に落とされてしまったじゃないのよ……っ!?

あいつ、お外の女の人たちにどんな揉まれ方をしたら、高校生のくせにこんな極上のレディファーストが身につくのよ! あんなの、元男の私だって一瞬で雌にされちゃうに決まってるじゃない!


関係を壊してボッチにする偵察のつもりだったのに、私のハートは完全にカケルのイケメンオーラに美味しく陥落させられちゃったわ!


(オタ活もどうでもいい! カケルの隣が世界一の理想郷なら、私がこれから稼ぐ全財産を使って、駆くんを私の『専属の騎士』として、一生私のプライベートの部屋に閉じ込めて愛してあげればいいのよね!?)


スマホを見ると、詩織ちゃんたちが裏のチャットで「新参のクソガキ、コンプラ違反よ!」ってギャーギャー騒いでいるのが見えるわ。もちろん、私の前世がオタク男子のTS転生者だなんてあの子たちには露知らず、ただの生意気なルカちゃんだと思っているみたいだけど。

ふふ、お黙りなさい、おいたが過ぎる方々。元オタクとしての執念と、TS美少女としての『智謀とパッション』をナメないことね。あなたたちの予約枠、私の張り巡らせた策略ですべて『出禁』にして差し上げますわ。


待っていなさい、私の愛しい駆くん。

これからは私の、誰よりも空回りで、誰よりも熱くて逃げられない『前代未聞のTS・ラブストーリー』で、あなたのボッチな人生を完璧にプロデュースしてあげるからね――。


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