第10話:実家連合vs詩織の隣人マウント大戦、そして舞台は決戦のファミレスへ
事の始まりは数日前、大河内家の玄関先でのことだった。
美夜とひまりが駆のレンタル彼女の利用履歴をこっそり調べ、参戦を決意した直後――ゴミ出しに出た義母の冴子と義姉妹は、隣の家から出てきた白雪詩織とばったり遭遇した。
「あら、冴子さんに美夜さん、ひまりちゃん。奇遇ですね。……あ、そう言えば私、こないだ駆くんと『デート』しちゃいました。やっぱり幼馴染の絆には勝てないみたいです♪」
マスクをずらし、勝ち誇ったように微笑むトップ女優の詩織。
その瞬間、大河内家の3人の目が一斉に据わった。
「あら詩織ちゃん、ご挨拶ね。でも駆くんの未成年の利用通知は全部私のスマホに来るの。お外の泥棒猫が勝手なマウントを取らないでくださる?」と冴子が妖艶に威圧すれば、「駆の初めての保護(所有)権は姉の私にあるわ。プレデターより先にあなたを仕留めてあげましょうか?」と美夜が拳を鳴らす。ひまりも「データ上、詩織お姉ちゃんの人気なんて私のハッキング……じゃなくてデジタル工作で一瞬でパパ活疑惑に書き換えられますよ?」と冷笑した。
「くっ……!」
実家連合3人の圧倒的な圧力に、詩織は「ここでは分が悪い」と判断。
「――いいでしょう。後日、駅前のファミレスで白黒つけましょう。ただし、私1人だと思わないことです!」
詩織は即座にスマホを取り出し、あの『抜け駆け禁止(自分は除く)同盟』のメンバーに連絡を入れた。
『緊急事態よ。カケルの実家(大河内家)が私たちの利害を脅かしにきたわ。ファミレスへ総員突撃よ!』
こうして、麗華、つむぎ、蓮、未来の4人を巻き込んだ古参5人同盟は、大河内家を迎え撃つために駅前のファミレスを一部貸し切り、壮絶な対談バトルの席に着いたのだった。
「さあ、泥棒猫たち。ウチの駆に勝手なルール作ってんじゃないわよ」
冴子を筆頭とする実家連合3人 vs 詩織率いる古参同盟5人。
総勢8名の美少女・美女による、ファミレスのパーティールームでの一触即発の大戦争が、今まさに幕を開けようとしていた。
――だが、彼女たちはまだ気づいていなかった。
自分たちが集まったそのファミレスの、すぐ隣のボックス席に、**当の本人である大河内駆が、何も知らずに座っているという最悪の奇跡に。**




