第四百八十八話『親方を見習うのにゃん』
第四百八十八話『親方を見習うのにゃん』
《『ついうっかり』って誰もが一度は歩む道にゃもん》
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「だから……ふっ。
——困ったもんだ。
親方のことを、
『ああだこうだ』
とはいえないなぁ。
いやむしろ、
見習うべきか?
まっ。
それはさておき。
どれ。
鼻で笑ったのを最後に、
『落ち着いて』
から、
『あたふた』
へ、
切り替えるとするか——」
『おれたちも、
急いで戻るぞぉっ!』
《うん? にゃあんか、もたもた、してんのにゃん》
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「だな」
「しかないな」
「だけどよぉ」
『あともうちょっと』
「くらいなら」
「そうだ。
さっき、
親方のへたなお説教を、
聴いたじゃないか。
あの分を」
『差し引く』
「っていうのはどうだい?」
「おっ。いい考え」
「だよな」
「賛成」
「となるとぉ。
問題は、
どれくらいの」
『延長戦に突入』
「とするか、だ」
「十分?」
「なるほどぉ」
『至極妥当なご意見』
「とは思うが、
ちと物足りないな」
「なら、二十分?」
「そこまできたんだ。
思いきって、
一時間にしちゃえよ」
「ダメだろう。
いくらなんでも」
「じゃあ、三十分?」
「あれまっ。
がくっ、
と落としやがった」
「だが、
半分まで値切ったんだ。
これなら」
『あれこれ文句をつけられる』
「いわれはなかろう」
「ふむ。なら」
「決まりだな」
「お前ら……。
——親方の気持ちが、
半分判った気がする。
そうだな。
ここはどうしたって、
声を荒げるしか——」
『おらおら。
ガキみてぇに、
ぐずってんじゃねぇやっ!』
しぃぃん。
「——ふぅぅむ。
黙ることは黙ったが……。
やぁっぱこういうのって、
おれには向かないな——
おい。
さっさと行くぞ」
『おうっ!』
くるりっ。
たったったったったっ!
『……なんで、
おれを追い越す?』
《みんにゃ扉の向こうへ。めでたしめでたし、にゃん》




