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両親の帰国。

いつも通り、高校の授業を受けて、昼食の時間になった。



「はい、今日は簡単な物だよ」



「おう、サンキュー」



成一は美鈴から水色の弁当箱を受け取った。今居る場所は空き教室。優人、陸人、優里、恵美、美鈴のメンバーで居る。




「そう言えば、早川君の弁当って深谷さんが作ってるの?」



陸人は成一に聞いてきた。少し疑問に思ったようだ。通常なら親が作っている場合が多い。



「ああ、オレと美鈴さ、両親とも中学校の終わりから海外に行っててな、それから、美鈴が毎日弁当を作ってくれてるんだ」



成一は至って普通の口調で言ったが陸人は反応に困っている。陸人の隣に居る恵美も同様だ。



「そうだったのか…」



「まぁ、気にすんな、生活には支障無いし」



「うん」



美鈴は何でも無いように明るい口調で成一に同意した。



だが、成一には美鈴の声に寂しさが含んでいるように聞こえた。

長年一緒に居たからかもしれない。成一には何となくわかった。



成一は美鈴の事を気にしつつ、美鈴から貰った弁当を開く。中身は本当に簡単、焼き飯だった。成一はこう言うのも好きだ。




因みに優人は優里とドラマの話をしている。成一は見ていないので全く意味がわからない。



美鈴と陸人、恵美で雑談を交わしつつ、成一は焼き飯を食べた。





高校が終わり下校中。



「今日の夕飯は?」



「うーん…今日は唐揚げにしようかな」



美鈴はさっきとは違い、笑顔を見せつつ言った。


成一は少しホッとする。




成一は家について玄関の鍵を開けた。隣には当然だが美鈴も居る。



「お帰り」



「おう、ただいま…って親父!?」



成一は思わずノリツッコミをしてしまった。



出迎えたのは成一の父・早川健一(はやかわけんいち)だ。容姿は俗に言う渋い雰囲気だ。髪型は少し短めの…簡単に言うと良くある平凡な短い髪型だ。




「ついさっき此方(日本)に着いたんだよ」



「そうか、母さんは?」



と聞くと同時に。



「あら、お帰り」



次に成一を出迎えたのは成一の母・早川冬美(はやかわふゆみ)だ。容姿は上手く良い表せないが客観的に見て綺麗な方なのだろうか。



「美鈴ちゃんも久しぶりね」




「うん、元気だった?」



「元気よ、美鈴ちゃんも元気そうで良かった、そう言えば、両親とも家に帰ってきてるわよ」



「本当!?」



「えぇ、今日一緒に帰ってきたのよ」



美鈴は直ぐ様嬉しそうにすると家にとんで帰っていった。



「うんで、親父達は何しに来たんだよ」



「勿論、息子の様子を見に来たに決まってるじゃ無いか、なぁ?」



「そうよ、1年会って無かったから心配だったのよ」



「そうか、まぁ、此方は特別変わりねーよ」



「そうか、まぁ、なら良かった」



成一は久々に両親と会話をした。この1年で何回か両親と電話で話していたがやはり顔を見て話すと違う。



因みに夕食は今日は冬美が作ってくれる事になった。美鈴の唐揚げはまた後日になりそうだ。










一方



美鈴は成一の母に言われた通り家に戻ると母親が出迎えてくれた。



「お帰り、鈴ちゃん!」



少々ハイテンションに出迎えてくれたのは美鈴の母・深谷美月(ふかやみつき)だ。美鈴と同じでぱちっとした目が特徴。



「お母さん!、ただいま」



美鈴と美月で会話していると。


「おお、美鈴、おかえり」



美鈴の父、深谷信二(ふかやしんじ)が奥から出てきた容姿はキリッとした目が特徴だ。髪型は短い髪型で特に染めたりしてる事もなく、普通の髪型だ。



「うん、ただいま」



美鈴は笑顔で返す。久々に両親と会えて嬉しかった。




美鈴は早速ソファーに座って両親と話始めた。



「元気だったか、美鈴」



「うん、お父さん達は?」



「元気だよ、なぁ?」



「ええ!、この通り元気よ!」



美月はガッツポーズを取って元気な事をアピールしてきた。



「ところで、成一君とは進展有った?」



「進展て?」



美鈴はキョトンと首を傾げる。美月は思い出す。我娘である美鈴はかなりこう言った面で鈍感である事を。



美鈴はまるで幼い娘の様に純水で可愛かったが1年以上経った今も変わってないようだ。



「成一君の事好きなんでしょ?告白した?」



「…ううん」



美鈴は顔を真っ赤にして俯いてしまった。



「大丈夫、成一君も美鈴の事好きだから」



美月は中学生の終わりの頃の事を思い出す。









1年前



信二と美月は実はまだ美鈴に言って無い事が有った。



この日の夕食にその事を言おうと決めていた。



「鈴ちゃん、実は話が有るわ」



「何?」



美鈴は笑顔で聞いてくる。美月は少し胸の痛みを感じた。



「2週間後海外に行くことになったんだ」



「え?」



美鈴は困惑した表情をしている。それもそうだろう、長年育ってきたこの場所から離れる事を伝えたのだから。



美鈴は泣き出してしまった。


「いやだ!引っ越しなんてしたく無い!」



小さい子供の様に泣く美鈴の鳴き声が家の中で木霊した。







それから、次の日



昨日は何とか美鈴を落ち着けた。



今、美鈴は家に居ないで何処かに出掛けている。行き先は見当が着く。恐らく成一の家だ。



この日、信二は仕事が休みだ。



ピンポーン!



インターホーンが鳴った。



「は〜い!」



美月は直ぐ様玄関に向かって開ける。



「こんにちは」



「成一君」



「あの、お父さんも居ますか?」



「ええ居るけど…とにかく上がって」



「はい、お邪魔します」











「お願いします、美鈴の引っ越しを撤回してください!」



目の前には頭を下げている成一。



「成一君、落ち着きなさい、それに、君はどうしてそこまで美鈴を引き止めたいんだ」



「どうしても美鈴に近くに居て欲しいんだ、美鈴が離れるのはどうしても嫌です!」



成一は必死に言っている様子だった。途中、敬語が崩れている。



「わかったわ、成一君」



「美月、何言って」



「だって鈴ちゃんは行きたくないって言ってるし成一君だってここまで必死に言ってるじゃない、信二、鈴ちゃんは成一君に任せようよ」



昨日聞いた話だが成一の両親も海外に行ってしまう為、1人暮らしになってしまうがその点は大丈夫だろう。美鈴は家事をほぼこなせる。成一もそこそこだ。



ただ、美月は別の事も考えていた。前々から成一美鈴の事が好きではないかと考えていたが今回必死の血相で止めて来た。



成一はもしかすると自覚が無いだけで美鈴の事が好きなのだろう。



美月は我が子、美鈴の恋が実るかもしれないと思い、嬉しさも有った。


















現在




「だから、告白してみたら?」



美鈴は顔を真っ赤にしながら俯いている。この様子だと告白は無理そうだ。



(青春してるわね!)



美月は自分の事を思い出しながらそう思った。

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