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事情

成一は高校に行く支度をしている。支度とは言っても学生服に着替えるだけだ。



ちゃちゃっと着替えて準備は完了。後は美鈴が来るのを待つだけだ。



成一はその間に今日の事を考えた。今日から進級になる。



昨日、優人も言っていたが優人の言う通りに意外と早いものだ。



成一はそう考えつつ美鈴を待つこと5分。



「成一!」



美鈴の声が玄関から聞こえた。成一は直ぐに玄関に向かう。



「おはよう!」



美鈴は笑顔で朝の挨拶をしてきた。



成一はその笑顔を見ただけで心臓が思いっきり脈打つのを感じた。



「ああ、おはよう」



成一は何でもないフリをして挨拶を返した。



二人とも玄関から出て学校に向かった。








美鈴は成一と話しながら登校している。



「今日から進級だね」



「そうだな、昨日、優人も言ってたけど意外と早かったな」



「うん、そうだね」



確かに美鈴にとってもこの一年は早かった。思い出も結構増えた。美鈴の中では成一、優人と優里で遊園地に行った事が一番鮮明に残っている。



「成一、美鈴ちゃん」



優人の声が聞こえた。振り向くと優人が居て隣には優里も居る。



成一は優人と話始めた。


美鈴は優里と話しながら高校に向かった。








教室に着いて何時もの教室に入り、暫くすると教師から用紙が配られた。



この表紙には新しいクラス表が書かれて居る。


この高校ではクラス表を配られた当日に新しいクラスに移動になる。



成一はクラス表に目を落とした。



この高校はABCDEの5クラスある。



成一は自分の名前を探した。成一のクラスはAだった。

次に成一はAクラスに美鈴の名前があるか直ぐに探した。あって欲しいと本気で思いながら。



深谷美鈴とフルネームを心で唱えながら名前の覧を追っていった。


なかなか、見付からない、無いのだろうか。成一は不安になったが。ちょっと下の方に『深谷美鈴』と記されれていた。



「「あった!」」



成一は思わず声を上げて言ってしまった。


何故か美鈴も声をあげたため、見事にハモった。


ハッと我に帰ったときにはクラス中の視線が成一と美鈴に集中する。これは不味い。



「すみません」



「名前がなかなか見付からなかったもので」




成一と美鈴の順に言葉が繋がり二人ともどうにか誤魔化した。




その後、移動して新しいクラスに着いた。因みに優人や優里も同じクラスだった。



「全員同じクラスで良かったな!」



優人がテンションを上げて言った。


「そうだな」



「うん!」



「良かったわ」



とそれぞれ反応を優人に返した。



「あの…」



成一の後ろから声が聞こえた。



「ん?…あ、お前昨日の」




「鈴木陸人…です」



成一の印象から見ると昨日とは陸人の様子が明らかに違う。その前にクラスが一緒な事に驚いた。



「ああ、…えと、どうしたんだ?、昨日とはやけに違うけど」



成一はストレートに聞いた。



因みに優人と優里はまだ口を挟んで来ていない。美鈴もだ。



「驚きましたか?…これが本当の僕です…昨日だけは恵美の悪口を言われてちょっと苛立ったんです」



陸人は少しおどおどしながら言う。


「…そうか、それで、その恵美って誰だ?」



「恵美はあそこです」



陸人が窓際の席を指差した。成一が見るとその席には分厚い黒縁眼鏡をかけた女子が陸人と成一達の事を見ていた。




「同じクラスメイト同士宜しくお願いします」


と陸人は小さい声で言った。


「おう、よろしく」



「宜しくね!」



成一が返した後美鈴も反応を陸人に返した。それに続いて優人と優里も反応を返す。



「宜しくな!」



「よろしく」



と言った感じに返した。



放課後。



今日は授業が四時間しかないため、下校する為に廊下を何時もの4人で歩いている時だった。



端の方で陸人の声が聞こえた。振り替えると不良が5人ほど陸人と恵美を囲んで居た。


「恵美だけは…勘弁してください」



陸人は恵美を後ろに庇って居た。


「ああ?知るか」



と言うと不良の1人が後ろから恵美を平手打ちした。



「恵美!」






「行くぞ!」



「おう!」



成一と優人は猛ダッシュで陸人と恵美の所に向かった。



美鈴と優里が何か言っていた気がするが全然耳に入って来なかった。




早く助けなければ。












「大丈夫か?」



成一と優人は同時に聞いた。


「うん、大丈夫だよ また助けて貰ったね」



陸人は昨日あったときと同じ口調に戻って居る。



恵美も陸人に続いてお礼を言ってきた。



「いや、当然の事しただけだだし、ほとんどお前が倒してただろ」



陸人はそれには答えなかった。成一と優人がダッシュで駆け付けた時には既に陸人が凄い力で不良達を投げ飛ばして居た。



少し置いて優人が口を開いた。



「苛めにあってるのか?」



優人が聞いた瞬間、陸人の隣に居る恵美がビックと震えた。



「大丈夫だよ」



陸人は恵美の肩に手を乗せて落ち着かせた。



「そうだよ、苛めにあってる」



陸人は苦痛の表情を浮かべて言った。



話はまだ続いた。陸人の話しによると苛めは中学の時から始まったようだ。


その時期はまだ苛めを楽しむ生徒も居るから厄介だ。





「成一」



優人の呼び掛けに成一は頷き。



「俺達でカバーしよう」



成一は陸人と恵美の目を見てハッキリと言った。


美鈴と優里も頷く。



「良いのか?、君達にも影響が出るかもしれないよ?」




確かに陸人の言う通り自分達にも被害が来る可能性は十分にある。



だがこんな事聞いてほっておける筈が無い。



「そんなの平気だ、俺達全員でカバーすればどうにでもなるだろ」



優人がしっかりとした口調で言った。



美鈴と優里も


「うん、皆で何とかしよう」


「そうね」



「でもまだ会って2回目だよ?、君たち3人とは今日で初対面…」



陸人はまだ躊躇って居る。



「そんなのは関係ねぇ遠慮は要らないからな?」



優人が陸人の言葉を遮って言った。


「そうだ、困った時はお互い様だろ?」


続いて成一も言った。



全員の押しで陸人と恵美はようやく頷いてくれた。





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