眼鏡の男子
成一は何時もと変わらず一日を学校で過ごし美鈴と優里と優人で教室を出た。
「明日から2年生だね」
美鈴が言った。
「そうだな、意外と早かったかもな、
全員また同じクラスだと良いな」
優人が言った。成一も同感だ。
「そうね」
それに優里も同意する。
全員考えて居る事は一緒みたいだ。
四人とも雑談を交わしながら帰り分かれ道で別れた。
因みに優人はこの後優里の家に行くみたいだ。
成一はふと、通りがかった不良二人が気になった。
不良二人は眼鏡の男子を囲むようにいた。
どう考えても眼鏡の男子は恐怖が浮かんだ表情をして見えた。
「悪い。美鈴、先帰っててくれ」
「成一?」
成一は美鈴の声を無視して不良の後を着ける事にした。
取り越し苦労なら良いが。
美鈴は成一に帰っててとは言われたが少し離れて成一の後に続いた。
明らかにあの不良らしき人を成一は着けている。
成一に何かあったらと思うと不安だったが、美鈴も眼鏡の男子を助けたいと思った。
不良二人と眼鏡の男子の後を着けて少し経った。
着いたのは裏の路地だった。
人通りが無い。
すると不良の一人が男子の襟首を掴んだ。
「おい!メガネ!調子のってんじゃねーぞこの根倉!」
男子は恐怖の色に染まって居た。
「…」
眼鏡の男子が俯いた。
「根倉って言えばお前とあの暗い眼鏡の女、暗いもの同士お似合いだなぁ」
もう1人の不良が馬鹿にした口調でそう言うとさっきまでの様子が嘘のように眼鏡の男子は不良を睨んだ。
「あん?てめえ!何だその目は!」
もう一人の不良が男子の顔を殴った。
成一はその瞬間、体が勝手に動いて居た。
「テメーら何やってんだ!」
自身の口調がいつもより荒くなるのを感じていたがそんなのはどうでも良い。
「あん?何だてめえは?」
不良の1人が成一を睨んできた。
だが、正直全然怖くない。寧ろ怒りばかりが沸いて出てくる。成一はその不良の襟首を掴み。
「何やってんだって聞いてんだよ!、おい!」
成一は不良の顔を思いっきり殴った。
それに続きもう1人もかかって来たが。
「がっ!」
眼鏡の男子がその不良の腹を殴って居た。
「恵美の悪口言わないでくれるか?」
と鋭く不良を睨み氷のように冷たい口調で言った。
「「てめえら、覚えてやがれ!」」
と言って不良二人は逃げた。
成一は直ぐに眼鏡の男子に声をかけた。
「大丈夫か?」
「ああ、ありがとう大丈夫だよ」
と男子が爽やかに言った。
「何でこうなったんだ?」
成一からすれば疑問だらけだ。さっきの男子の様子を見る限り、ただ、虐められているという訳では無さそうだ。
「あの二人が因縁着けてきて絡んで来たから、ちょっと怖くてね、無視したらここに連れてこられて殴られたんだ」
「…その割には意外と強いみたいだけど…」
「さっきはあいつら恵美の悪口言ったからな…、それより君が来てくれて助かったよ」
恵美とは誰だ?、と成一は思ったがよく考えればもうやることは済んだ上に眼鏡の男子が強いと言う事は心配無いと判断して詮索はせず。
「まあ、大丈夫なら良かった、じゃあな」
と言って成一はアルバイトに向かうことにしたが。
「ちょっと待って」
眼鏡の男子が引き留めて来た。
「ん?」
「名前は?」
「お前こそ名前は?」
「…僕は鈴木陸人」
「そうか、オレは早川成一」
成一は名前だけ言って今度こそ、家に向かった。
この後はバイトがある。
その成一の様子を見て美鈴は成一に気付かれないよう急いで歩いた。眼鏡の男子は鈴木陸人と言うらしい。成一も陸人も無事で良かったと美鈴は思った。




