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相談

「成一!もう出れる?」



寝不足でボケッとしながら成一が高校に行く支度をしていると美鈴が玄関から元気な声で成一を呼んで居る。


ボケッとしていた頭が一気に覚醒する。


早朝の公園の事を思い出し、一瞬ドキッとしたが。



「ああ、出れるよ」



成一は平静を装い美鈴にそう返して家の鍵を持ち、玄関に向かった。




高校に着き、美鈴は優里とクラスメイトの女子3人で話し始めた。



確か名前は西川陽子だったはずだ。


美鈴と話して居る所を何度か見た事が有る。



成一は自分の席に荷物を措き椅子に腰をかけた。



成一はまだ頭の中で4歳のあの公園で美鈴に言った言葉がリピートされている。



小さい頃の事だ、気にすることは無い、と思うのが普通だろうが成一自身、美鈴の事が好きだと言う事を自覚している。



そうも言っていられるはずが無い。



「よう、成一」



優人が成一に声をかけて来た。


「…ああ」



成一は寝不足で少しボーッとしていたのも有り、気の無い返事を返してしまった。



「寝不足か?」



「…まあな」



「まさか…美鈴ちゃんの事で?」



「違う!」



今の今まで美鈴の事を考えていた成一は思わず椅子から立ち上がり大声を上げてしまった。




「あ…」


成一の声に回りのクラスメトから視線が集まった。


美鈴と優里も見ている。




成一は取り敢えず何でも無いように装い椅子に座り直した。



「どうしたんだ?そんな大声出して…図星か?」



優人はニヤニヤしながら成一に言う。



「お前なぁ…」



成一は思わず目を細めて優人を見た。



優人は変なところで勘が強い。



「ああ、そうだよ美鈴の事考えてた」



成一は半分開き直って優人に言った。



「やっぱりな、相談に乗っても良いぞ、オレも相談があるし」



意外にも優人は冷やかさずそう返して来た。



「相談?」



「ああ、そうだな…聞かれるとまずいから帰り喫茶店でちょっと話そうぜ」



優人は一瞬優里を見た。


優里に聞かれたくない話だろうか。


多分、相談の内容は優里の事だろう。



「分かった」



成一は断る理由も無いため、そう返した。



成一が優人に返事を返したところでチャイムが鳴った。



「じゃあ帰り、な」



と優人は成一に言って席に着いた。




西川と優里と美鈴も話を終わらせて美鈴は直ぐに成一の隣に座った。



下校時間になった。


美鈴には帰り優人と寄り道すると言って優人と一足先に高校を出た。





「いらっしゃいませ、お好きな席へどうぞ」



喫茶店に着き、成一達は店員に言われた通り、席に着き、ホットコーヒーを注文した。



「それで、相談って何だ?」



成一がそう聞くと優人はさらっと答えた。



「オレ、優里に告白しようって思ってんだ」



「…え?」



意外な内容に成一は唖然とした。



「そんな驚くなよ」



優人は笑いながら言った。

多分、苦笑いだ。



「いや、ちょっと意外だったけどいいんじゃねえか?」



目の前の優人少し、不安そうだ。



ただ、優人と優里は見るからに両想いだ。絶対上手くいくだろう。




「さて、お前の相談は?」



優人の話しも聞いたのだから流石に逃げる事は出来ない。



成一は少し、話しづらいが優人に正直に話す事にした。



「この前さ…」




成一はこの間思い出した4歳の時の記憶の事を言った。


普通なら呆れる話だろうと思ったが優人は呆れる事なく。



「そうか、どうりで」



と優は納得した。



「どうりでって?」



そこの部分が気になり聞き直した。



「今朝、お前と美鈴ちゃんが教室来たとき美鈴ちゃんはいつも道理だったけど成一は何か気まずような考え込んでいるような感じだったからな」



まさか、気付かれて居たとは思わなかった。



確かに気まずいのもあった。



やはり優人は変な所で勘が良い。



「確か美鈴ちゃんからその話言って来たんだよな?」



「ああ」


あながち間違ってはいないが直接ではない。



あくまで成一が勝手にこの記憶を思い出したのであって美鈴は普通に4歳の頃の事を覚えているのか聞いてきただけでこの事とは違うのかもしれない。



あの時自分の見間違いじゃ無かったら美鈴は悲しそうにしていた気がする。



もしかすると嫌な事だったのかも知れない。



「おい、成一」



「…ん?、どうした?」



成一は考えていてワンテンポ返事するのが遅れた。



「今回の事はお前次第ではすんなり解決すると思うぜ?」



成一次第ではと言うのはどういう意味だろうか。



「まあ、オレから言えるのはこれぐらいかな、まあ、美鈴ちゃんとちゃんと話して見たらどうだ?」



成一が言葉の意味を考える間もなく優人はそう言って冷めかかっていたホットコーヒーを一気に飲み干し。



「家でやる事が有るから先帰るな」


と言って優人は自分の分の代金をテーブルに置いて颯爽と喫茶店を出ていった。



成一は呆然と優人を見送りつつ。


(話せって…どうすりゃ良いんだよ!?)



自分から言い難い話だ。いつどのタイミングでどういうふうに言えば良いのだろうか。


考えただけで心臓が飛び出しそうなぐらいドキドキする。



成一は1人、喫茶店で暫く頭を抱えた。


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