初詣
成一は美鈴、優人、優里のメンバーで神社に来ている。
「人混みが結構あるな」
そう漏らしたのは優人だ。
確かに結構な混みようだ。
「元旦だからな」
成一は優人にそう返した。
因みに優里と美鈴は何か話している様子だ。
だがこの人混みのため何を話してるのかまでは聞こえない。
四人は賽銭箱の列に並んでいる。
まだ列の後ろの方だ。
美鈴は優里と話している。
「初日の出綺麗だったね」
初日の出を見たのはほんの数時間前だ。成一と見た。
美鈴は優里と大晦日の話をしている。
「そうね、綺麗だったわ 」
優里は美鈴に微笑んで言う。
因みにこの前言った通り優人と優里の両親で見たようだ。
あれこれ話してるうちに最前列まで来た。
「やっとオレ達の番か」
「順番だからしょうがないわよ」
優人の一人事のような呟きに優里は大人の様にそう返した。
「皆、良いか?」
成一の声に三人とも頷く。
四人が小銭を投げた瞬間だった。
「あ!」
「バカ!何処投げてんだよ!」
美鈴はあろう事か賽銭箱を外してあらぬ方向に投げてしまった。
「どうしよう」
美鈴は少し泣きそうになる。賽銭箱の裏側に回ってしまったため取るに取れない。
「わかったわかった!ほら次は気を着けろよ」
成一は美鈴の泣きそうな顔を見て慌てて新しい小銭を渡した。
「ありがとう!」
美鈴はそう言って改めて賽銭箱に小銭を投げた。
四人は改めて手を合わせた。
やけに真剣な顔をした成一の願い事は、
(今年こそは美鈴のおっちょこちょいが治りますように!)
と真剣に祈っていた。
「さておみくじ引こうぜ」
賽銭箱の前から離れ、四人はおみくじ売り場の前にいる。
「うん、今年は大吉出るかな」
「去年は大凶だったもんな」
成一は去年を思い出して言う。
去年大凶が出たとき美鈴は小さい子供の様にガッカリしていた。
「そう言えば優里は去年何が出たんだ」
優人はふと気になって優里に聞いた。
「去年は中吉だったわ」
「そうか、オレは小吉だった」
去年のおみくじの話しをしつつ今年のおみくじを引く。
「あ、オレ大凶だ…」
そう声を出したのは成一だ、去年は美鈴が大凶だったようだが今年は成一が大凶の様だ。
「オレは去年と同じ小吉」
「私も小吉よ」
「私が大吉!」
美鈴はよっぽど嬉しいのか大きい声で言う。
かとおもえばおみくじのある欄を真剣に見ている。
良く見れば優里もだ。
「何て書いて有るんだ?」
優人はやけに真剣におみくじを見ている優里に聞いた。
同じく成一は美鈴にも聞いてる様だ。
「うん、全体的に結構良いこと書いて有るよ」
「そうか良かったな」
「あ…成一大凶だったよね…何て書いてある?」
「別に悪いことは書いてねーな」
成一は美鈴におみくじを渡しながら言った。
「ほんとだ」
美鈴は成一が引いたおみくじをまじまじと見ている。
その仕草は小さい子供のようだ。
(昔から変わんねーな)
子供見たいな仕草や話し方は昔から変わらない。その点は成一自身、安心していた。
あれから絵馬を掛けて四人は神社を後にした。
因みに美鈴が引いて真剣に見ていたおみくじの一行にはこう書いてあった。
「恋愛
恋はただ待つだけでは駄目です。もうちょっと頑張って見ると良いでしょう」




