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ep Radja Naga 5


 どれほど長い時間、お前を見続けたか。

 俺は、この地の王となる。

 お前もそうだろ?


 王となり、黄金の継承者にも選ばれた。


 お前は俺の横、その場所こそが最も相応しい。


 この地に竜は二匹も要らない。



「ナーガ王……こちらを」


 老兵より、紋章付きの封を受け取った。

 この大地に住む者ならば知らない者はいない、紋章。

 白と黒の、二つ竜が交じり合いながら空へと昇る紋章。


「爺や、俺は戦うぞ」


「ナーガ……相手は黄金の継承者だ、お前にはまだ」


「戦うと言ったぞ、ドラガン兵士長」


「…差し出がましい事を、大変申し訳ございません陛下」



 闘技場。

 リバの民が万を超え集う。

 死闘が始まる。それも只者ではない。


 この地の頂点に立つ、二匹の竜が相対する。

 これを逃すまいと、各地から民が集った。


 闘技場には青年の面影が残る、マンダラ王国の新たな王。

 そして、相対するは、黄金の刺繡が施された漆黒の衣装を纏う青年。


 一対の双剣を携え、黄金の光に包まれた鍵を手に握るその青年。

 マンダラ王国と現在進行形で領土戦争を繰り広げている敵国の頂点に立つに者。


 アバド皇国皇王、シーザー・トゥーランだ。


 マンダラ国王は叫ぶ。

「アバドの皇王よ!黄金の継承者にも選定された勇ましいアバドの頂点よ! なんの正義があって、我らマンダラとリバ・アガとの不可侵の約定を破ろうとするのか!


 我らは古代からの、リバの守り手、始まりの王が望んでは果たせなかった、リバの楽園を守りし者だ!


 繰り返し問うぞ! アバドの皇王よ! 平穏の日々を享受する其方らは、何のために剣を振るうのか!」


 その言葉の意図、

 お前らはぬくぬくと中央で生きてこれたのは俺らが始まりの王の時代から守ってきたからであり、我らの国と国同士の契りを何の正統性もなく侵略するのは、それはそれはダメじゃないか?黄金も持っているのに、未だに俺らに勝てないし、何がしたいの?と。


 漆黒のロイヤルコートを纏う、皇王は不敵な笑みを浮かべた。


「マンダラの竜よ、我らアバドは始まりの王から託された、クナの総本山だ。


 リバ・アガは始まりの王以前からの大地の管理者。


 我らアバドとリバ・アガが手に取り合い、固い血の結束を結んでこそ意味がある。


 マンダラの竜よ、巫女と結ばれるのは、この黄金の継承者にしてアバドの至天に座す朕こそが相応しい」


 マンダラの竜と呼んだ。

 マンダラ国王ですら、敬意をもって、アバド皇王と呼んだ。


 皇王の意図を掴めない、大義名分すら用意する気もなく、戦いを申し込むその勢い。


 そこには確かな自信が感じ取れた。

 黄金も持たぬ生意気な餓鬼が、単独では勝てるはずがないと。


「我らは王にして、民の上に立つもの。


 言葉をもって和平を築けないのならば、もはや剣をぶつけ合うのみ。


 其方の挑戦を受けて立つ、アバド皇王」


「ああ、そうさせて貰うさ、マンダラの竜!」


 黄金が煌めき、白と黒の双剣が襲来。


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