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ep Radja Naga 6


 黄金の鍵に魔力が集約した。


「《黄金(ハルタ・)の恵み(エルドラド)》《起動》!」


 黄金の光が、双剣を包み込む。

 神速の双剣連撃が遅い掛かる。


 ナーガは少なくない魔力を剣に纏わせ、そして五感へと魔力を流し込んだ。


 黄金の双剣を受けては、剣が破壊される、受けていなくとも感じ取られる程の力が黄金の魔力が伝わっていく。


 ナーガは連撃を流し、隙を伺った。


 そして、魔力の揺らぎ。

 剣を持たない手で手刀の印を結ぶ。


「《羅刹(ラクシャ)》!」


 不可視の魔力の剣が、シーザー・トゥーランを襲った。


「舐めるな!」


 しかし、シーザーは魔力の剣を撃ち落した。


(どうやって不可視の羅刹を…)


 シーザーの周りには黄金の魔力が散布されていた。


(あの魔力か)


 シーザーは剣の戟を止めない。

 まともに受けてはいないものの、ナーガの業物は限界を迎えつつあった。


「小竜如きが、黄金の力に勝てると思うな! 貴様の無敗もここで終わりだ!


 《召喚・二重》! 《天大蛇(ウラール・ソラ)》! 《魔大蛇(ウラール・ゴク)》!」


 白と黒の竜が顕現。

 決闘では1対1の戦いが基本。故に黒竜のバハムトを使役し共闘することは許されない。

 しかし、召喚術を使って顕現した物は別だ。


「くっ」


 ナーガは辛うじて、二の竜の攻撃を躱していった。

 ただ、シーザーは黙って配下の竜を眺めていない。

 配下の白と黒の竜とともに、ナーガへと襲い掛かった。


「自慢の空飛ぶ蜥蜴がいないんじゃ、ただの少年だな!マンダラの小竜!」


(こんな所で……負けるかよ)


 思い浮かべるは、暗き部屋に鳴り響く槌の音。

 かの島の神髄はその魔力の核心を掴む事にあり。


「…やれるよな」


 剣を地面に突き刺した。

 左手で手刀の印を結んだ。

 そして、右も親指と人差し指を少し突き出す拳の印を結んだ。


 魔力は剣へと、それは一つではない、


「二つ、三つ…いやもっとだ」


 ナーガの上空に顕現した魔力の剣。

 不可視を解除した剣が複数、いや無数に顕現した。


「不格好な剣だな、ハイシュウ殿には笑われるな。


 《羅刹》の…《雛鳥》とでも名付けようか」


 シーザーと竜たちは止まらない。


「そんな出来ぞこないな剣で何が出きる?!」


「《羅刹の(ラクシャ・)雛鳥(シスパクシ)》」


 無数の剣が絶え間なくシーザーと竜を切り刻んだ。

 やがて斬撃の雪崩が終えては、白と黒の竜の残骸が闘技場にまき散らかれていた。


(…ヤツは?)


 羅刹の残滓から飛び出すのは、純白の魔力を纏う皇王。

 砕け散った双剣を地面に捨てては、空いた拳をナーガへと振りぬかれた。


「がはっ!」


 ナーガは闘技場の壁へとめり込んっだ。


 シーザーはゆっくりとナーガへと近づいた。

 純白の魔力は次第に剥がれては、漆黒のドレスが露わになった。


「どれほど若輩でも、剣聖の名を授かったお前だ、や対策しない訳はないだろう」


(…意識が、ぐっ…数秒飛んでいたか。


 あの白い魔力…そして拳の硬度…あれは)


「そうだ…これは、地母神の力、クナの女神の力、アバドの王が操れない訳がない。


 剣にも切れないものはあるだろ?」


(鋼…)


 口に溜まった血を吐き出した。


 シーザーは再び白い魔力を全身に纏わせた。

 そして拳には黒き魔力が浮かび上がった。


「白と黒を合わせてこその、天魔竜だ。


 マンダラの小竜よ、ここで終わらす」


 そして黄金の魔力がシーザーを纏う。

 シーザーは駆ける。


 もう一度思い浮かべた。

 あの槌の音。

 そして炎に焼かれ、剣へと成る前の、塊。


 切れないならば、どうする?


 あの鍛冶師の所作を今でも鮮明に覚えている。

 その無駄のない動き、魔を見極める武人の眼、そして、一連の祈り。


「…こうだったかな?」


 左手で刀を催した印を結んだ。

 そして右手には、あの鍛冶師が行った祈り、その所作を再現した、印を結んだ。


「出来ぞこないか…確かに剣へと成る前のこいつは、出来ぞこないな


 しかし、この剣こそが、お前を切るぞ」


 一刀の魔法の剣が顕現。

 やがて剣は紅蓮の焔に包まれた。

 剣は朱く燃え上がった。


「新しい羽だ、羽ばたけよ…《羅刹の(ラクシャ・)赫翼(ラクタパクシャ)》」


 紅蓮の剣はシーザーへと襲い掛かった。


 シーザーは魔力を集約した手で、紅蓮の剣を受け止めたが、やがて手は溶け落ち、焼き切られていった。


「ぐわっ!なんだ?!炎?!」


「まだだ…お前にとって取るに足らないな、ちっぽけで出来ぞこないな剣、それらこそがお前を切り刻むんだ」


「なにっ?!」


 シーザーの周りには、そして白と黒の竜の亡骸の周囲には、役割を終えた砕け散った無限の剣の残滓。残滓は充満していった。

 紅蓮の剣の火炎が剣の残滓に伝播していき、全てを焼き尽くす爆炎へと転移していった。


 闘技場には爆炎と断末魔が轟く。


 爆炎が消え去っては、闘技場に残されるのは、灰へと化した白と黒の竜の残滓、そして黒く焼け焦げた、皇王。

 そして黄金の魔力が皇王を包み込んでいった。

 徐々に皇王の肌はかつての白い肌へ回復していった。

 しかし、その回復速度は、黄金の力をもってしても、すぐには皇王を治せずにいた。


「悪いなアバドの皇王…今回ばかりは譲れない」


 そしてナーガの前に黄金の鍵が顕現。


4月はやっぱり新年度で忙しくなりますよね…

どうにか時間を作って、ナーガの活躍を書きました。

島の鍛冶師は小さくない影響をナーガに与えたと思います。


テシマのハイシュウ、なんだか聞き覚えのある名前ですね。

世界って広いようで、狭いですから。

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