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4.2話 はい皆さんが静かになるまで5分かかりました


 はい、座学を始めます。

 え?教官は?急遽私が執る事になった。それ以上聞くな。

 はい静かにしてください。


 …


 はい、皆さんが静かになるまで、えっと5分弱かな、かかりましたね、では再開します。


 リバ大陸には、古代から続く宗教クナ教が普及しており、そのクナ教の階級制度、カスタ制度が取られている。


 神職階級、王族や武人階級、商人や職人階級、そして平民階級だ。


 神職や王族など分かりやすく、名前の最初に官職名が付けられる。


 リバ・アガを例に例えてみよう。

 リバ・アガは古代から続くリバの神事を司る国だ。

 現在の巫女のトップとして、イダレネイ・カヤン・ファティマ・シア様となっている。

 イダレネイが神職の官職名だ。

 

 アバド皇国ではどうだろうか。

 アバド皇国は数百年続く大国だ。

 現在皇王のアナオブリ・ワヤン・ミハイル・アバド陛下。

 アナオブリが王族の官職名となっている。


 では商人や平民にはあるか、いやない。

 商人以下の特徴として、生まれる順番で名前が決まる。


 性別に関係なく、第1子はワヤン、カヤンなどの名前。

 第2子はマデやカデ、第3子はニョマやコマ、第4子はケト、第5子以降は第1に戻る。


 商人以下の民では皆同じ名前になる為、大抵は愛称を持っている。この愛称は国によっては法的拘束力も持つ事がある。


 余談だが、私の国でも似た風習がある。第1子にはイチ、第2子にはジ、第3子はサかミ、第4子はシかヨンという日出の数字が名前に付けられる。そう、私はハイジは第2子だ。


 この出生順で名付けされる制度は、神職や王族層にも適用される。先ほどのファティマ様と皇王陛下のケースではどちらも第1子を示します。


 そして、家名は名前の最後に付くことが多い。繰り返しで申し訳ないが、ファティマ様ならばシア、皇王陛下はアバドが家名。


 家名制度は他の国でも見られている。私ならば、ハイジ・トヨウチ、ハイジが個人名で、トヨウチが家名だ。

 一地域だけ例外があり、金華中ならば家名が最初に付く。

 金華中の方と接触するとき、ファーストネームが皆同じと勘違いすることが多いが、それが理由だ。


 勿論全ての民がこの法則に則っている訳ではない。

 獣人国家マーレオネや中立都市、東の金華中、あと私の出身地である島国の日出国では、階級制度は見られない。

 逆に、先ほど言及した、例に出したアバド皇国やリバ・アガ、そして自由都市デンバザールなどの国家では殆どの人が当てはまっている。


 脱線するが、中央都市やデンバザールでは、ミドルネームとういう風習も見られている。一概に言えないが、父称、父または男系祖先の名前をミドルネームとして残す習慣が見られている。


「ハイジ上級訓練団員、それらの知識は開拓者、我々には必要な事でしょうか?」


 良い質問だ。

 

 過去の統計によると、開拓訓練団修了後、俺たちは先ほど述べた、階級社会が一般的な国で配属されるケースが大部分だ。

 それを知らずに、神職や王族、武人階級の皆さまに合わせた立ち回りが出来なければ、どうなるか分かるね?


 最悪侮辱罪で死刑はあり得るさ。

 それの予防だね。


 ははは、そこまで警戒しなくても良いさ、ただ、理解、知っているというだけで、それだけで世界との関わり方がもっと上手く出来るようになるね。


 それに、名前を知るだけで相手がどのような人物かが一発で分かるのは便利じゃないか?



「いや助かるよハイジくん、カスタ制度の座学は本当繊細だからね、”不可触民”出身の私が教鞭をとるのは、些か面倒な事が起きやすいからね」

「いえいえ、カスタ制度外の人間がやるのは、ある意味合理的ですね」


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