4.1話 男の子ってこういうのが好きなんでしょ
「うおおお!これが”幻”の一角大熊の魔角!これはきっと偽物でござる!」
「へへっどうだぃウォタファぁ~すげぇだろぉ?」
「なんでゴードンが得意気なんだよ……それに本物だよ」
その他に、一角大熊の爪や魔力貯臓器、毛皮、目玉など、残さず解体し持ち帰った。
モンスターとは対峙すべき獣であると同時、素材の宝庫でもある。魔法を発動する媒介や装備を作成、強化する上での素材としても使える。
モンスターの希少さ次第では、取れる材料に付けられる価値は計り知れない。英雄たちともなれば、ドラゴンや巨人、悪魔などを討伐して獲得した素材で武器や防具を作成している。
また、モンスターの特性や能力を活かして、制作した装備は大きな力を得られる。
サラマンダーの発熱器官を練り込んだ剣は、高熱を浴び、まるでケーキを切るような切れ味を生み出す。
鋼鉄毛猿の毛を使用した糸で編んだ防具服は数知れない術師たちの命を救った。
魔物が跳梁跋扈するリバ大陸の森、その森のエース級でもある一角大熊の素材ともなれば、技術者としては興奮を隠すのが難しいと言える。
「一角から発射される光線、この性能を飛炎砲に組み込むのはどうだろう」
「それも良いでござるが……リバの誇る男児たる者、冒険しないのは恥というものでござる!」
「おおぉ!だよなぁ!男なら夢、みてぇよぉな!」
「そうだろぉゴードン殿!夢語らずして、何を語ろうか!」
「いや俺が取った素材だからね…」
こうして、男たちだけで、あーだこーだと、貴重な魔角の活用方法を巡って議論しては、机に図面を広げ、アイデアを図解したり、夢のような時間を過ごすのだった。
「男の子って…」
「行けません、行けませんわラトナ様」
「男子の思考なんて幼稚、ラトナ様になんてものを見せるのやら!」
ラトナ御一行はそんな友人たちを見て、呆れを隠せない。
◆
「フン!」
魔力を込めた。
筒状の金属棒の先端、鍔から光が放たれる。
光は拡散することなく、片手腕程度の長さの尖形状の光刃を形成する。
「「うおお!」」
「ふぅん!」
試し打ち用の簡易かかしに向けて、光刃を振る。かかしは、いとも簡単に切断される。
その切り傷は切断というより溶断と表現した方が適切だろう。
「かっこいでござる!かっこいでござる!」
「うおおかっけぇ!ハイジぃかっけぇ!」
「……これは、男の浪漫だ」
「男の子って…」
「「本当」」
「「「馬鹿ですね」」」
呆れを通り越して、もはや悟り開くまでである。
◆
「真面目な話をしよう」
「「はい」」
「これ強すぎるね…長期戦闘訓練までに間に合う?」
「無理でござる、もはや新兵器の領域故、調整とか改良とかの時間が足りないでござる。中途半端なものをハイジ殿に使わせたくないでござる」
「だよね…」
「こればかりは仕方ないぜぇハイジぃ…諦めよう」
「くぅ……」
もう一度筒に魔力を流し、光刃を形成。
それを空に掲げてみせた。




