3.1話 オラッ!今までの借りを返せ!
隊室を勢いよく飛び出した。
癪だが、自称王の飛トカゲのおかげで、少し光明が見えた。
目指すは技術部。
癖のある奴らしかいないが、サポートの面においては右に出る者はいない。
それにここ数年、術式の改良や試作品の実験台や素材調達や論文作成、果ては会話能力不適合やらで学会の代理発表なんて数々の雑用を押し付けられた。少しくらいの我儘を聞いて貰えなければ、暴れ倒す所存だ。
「頼もう!」
「ぽわっ?!ハイジ殿、突然何事でござるか?!」
「ちょうど良かったウォタファー君!ちょっとさ、こういう武器とか作れる?」
「武器?どりどり…」
◆
「…こりなら、アバド皇国の銃、飛炎砲はいかがハイジ殿」
「これこれ!こういうヤツを求めてたよ!」
飛炎砲。
魔力を原動力に、殺傷能力の高い魔法の塊を高速発射する、いわば大砲を小型化した兵器だ。
一部の国では銃、とも呼ばれる。
この技術は、最新式技術開発を強みとするアバド皇国から最近、世に放たれた兵器だ。
「この兵器は確かに威力、攻撃速度、射程範囲は優れておるぞい。しかしハイジ殿…その、何と言いますか」
「お気遣い感謝だウォタファー君、魔力消費がえぐいんでしょ、どうせ」
「そうでござる…」
そんな便利な武器が何故中々主流にならないか。それは魔力消費が激しいからだ。
同じ威力の魔法と比較すると、飛炎砲は発射速度と射程範囲の設定に魔力を注ぎ込む分、魔力効率が悪いのだ。
「ならさ、こういう風に改造出来ない?」
「ほぉ~どりどり~」
テーブルに白紙の図面を敷き、そこに思いつきを図解化した。
「大砲と同じく、装填式に改良して、専用の弾丸を作るんだ。事前に魔力を充電できると嬉しいな」
「ほう、あえて飛翔体の魔法を外部装填式に改造するってことですな。ふむふむ、確かにそれならハイジ殿の魔力でも使えますな」
「実際必要になるのは発射させる時の魔力くらいまで抑えらえる。これなら事前準備次第でいくらでも戦える」
◆
弓術訓練場に、同期で技術部所属のウォタファーと、友人のゴードンを連れてきた。
改造案を形にするために急遽ゴードンを招聘。
理論を形にする際にはやはり実体の作業に関してはドワーフ職人の右に出るものはいない。
「装填…発射!」
光の弾丸は的を射て、いや的毎砕き、的の残骸から煙が立ち上がった。
「うおおおハイジ殿おおお!!ハイジ殿がああ成功させたああ!」
「うおおおハイジぃすげぇえ!!」
「いやありがとう二人とも、これで基礎的な部分は完成だね。あとはどこまで改良出来るか」
「そこは吾輩たちに任せてクレメンス、ハイジ殿!」
「うんうん、オイラぁもいくらでも作ってみせるよハイジぃ…」
「こらぁ!!何貴重な設備を破壊しとんじゃあガキども!!」
「うわぁやっべ!逃げるぞ!」




