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3.1話 オラッ!今までの借りを返せ!


 隊室を勢いよく飛び出した。

 癪だが、自称王の飛トカゲのおかげで、少し光明が見えた。


 目指すは技術部。

 癖のある奴らしかいないが、サポートの面においては右に出る者はいない。

 それにここ数年、術式の改良や試作品の実験台や素材調達や論文作成、果ては会話能力不適合(コミュ障)やらで学会の代理発表なんて数々の雑用を押し付けられた。少しくらいの我儘を聞いて貰えなければ、暴れ倒す所存だ。


「頼もう!」

「ぽわっ?!ハイジ殿、突然何事でござるか?!」

「ちょうど良かったウォタファー君!ちょっとさ、こういう武器とか作れる?」

「武器?どりどり…」



「…こりなら、アバド皇国の銃、飛炎砲(グンヒルド)はいかがハイジ殿」

「これこれ!こういうヤツを求めてたよ!」


 飛炎砲(グンヒルド)

 魔力を原動力に、殺傷能力の高い魔法の塊を高速発射する、いわば大砲を小型化した兵器だ。

 一部の国では銃、とも呼ばれる。

 この技術は、最新式技術開発を強みとするアバド皇国から最近、世に放たれた兵器だ。


「この兵器は確かに威力、攻撃速度、射程範囲は優れておるぞい。しかしハイジ殿…その、何と言いますか」

「お気遣い感謝だウォタファー君、魔力消費がえぐいんでしょ、どうせ」

「そうでござる…」


 そんな便利な武器が何故中々主流にならないか。それは魔力消費が激しいからだ。

 同じ威力の魔法と比較すると、飛炎砲は発射速度と射程範囲の設定に魔力を注ぎ込む分、魔力効率が悪いのだ。


「ならさ、こういう風に改造出来ない?」

「ほぉ~どりどり~」


 テーブルに白紙の図面を敷き、そこに思いつきを図解化した。

「大砲と同じく、装填式に改良して、専用の弾丸を作るんだ。事前に魔力を充電できると嬉しいな」

「ほう、あえて飛翔体の魔法を外部装填式に改造するってことですな。ふむふむ、確かにそれならハイジ殿の魔力でも使えますな」

「実際必要になるのは発射させる時の魔力くらいまで抑えらえる。これなら事前準備次第でいくらでも戦える」



 弓術訓練場に、同期で技術部所属のウォタファーと、友人のゴードンを連れてきた。

 改造案を形にするために急遽ゴードンを招聘。

 理論(ソフトウェア)を形にする際にはやはり実体(ハードウェア)の作業に関してはドワーフ職人の右に出るものはいない。


「装填…発射!」


 光の弾丸は的を射て、いや的毎砕き、的の残骸から煙が立ち上がった。

「うおおおハイジ殿おおお!!ハイジ殿がああ成功させたああ!」

「うおおおハイジぃすげぇえ!!」

「いやありがとう二人とも、これで基礎的な部分は完成だね。あとはどこまで改良出来るか」

「そこは吾輩たちに任せてクレメンス、ハイジ殿!」

「うんうん、オイラぁもいくらでも作ってみせるよハイジぃ…」


「こらぁ!!何貴重な設備を破壊しとんじゃあガキども!!」


「うわぁやっべ!逃げるぞ!」


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