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FELLO WSHIP WORLD 〜人の心を描く者より〜  作者: ハクタカ ヒバリ
解凍編

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第7話 初登校 ~午前編~

特に思い入れのない真っ黒なランドセルを背負って、登校を始める。

…登校時も5人で行動しないといけないのか…。俺としては1人で気楽に行けたらいいのだが、小学生という弱い身分であるうちはそんなことできそうにない。

幸伶「うわ、もう着いたよ。」

望美「案外近いんだね。」

その学校は、いかにも昭和中期のもので、これが東京とか大阪とかにあったら旧旧校舎とか呼ばれていたのだろう。とはいえ、さすがに中は手が加えられていた。

素朗「あ、来た来た。」

幾斗「よう!OMAERA!」

瑞穂「数日ぶりだな。」

疾照「3人ともお久しぶりです。」

和城「なぜ君たちがここに。4日前も君たちに案内されたが…。」

素朗「同い年の子供が案内するよう、追風村の村長に言われてるからね。私たちが立候補したってわけ。」

幸伶「な〜るほどねえ。」

幾斗「ささ、着いてKINA!教室まで案内SURUZO!」

どうやら、この学校は組をいろはで表すらしい。

教室の個数上、"い組"と"ろ組"があるが、もちろん4年生はい組のみ。1、2年生はろ組もあるそうだ。

素朗「ここが私たちの教室だよ。私が担任の先生に伝えてくるから、入るよう言われたらとりあえず英春から順に入ってきて。」

望美「は〜い。」

疾照「わかりました。」

なぜ俺が先頭なんだと思いはしたが、ここは公共の場…。あまり文句を言って困らせてはならない…。

3人が教室に入って少しすると、教師と思われる人が何やら話し出した。俺たちの説明をしているのだろう。

幸伶「緊張するね。」

和城「ああ、そうだな…。」

英春「………。」

しばらくすると、話し声が止み、"入りなさい"と言われた。

運悪く先頭になった俺は、意を決して扉を開けた。

そこはなんの変哲もない教室だったが、机は本当に俺たちの分含め12しかない。

「さあ、彼らが1年間共に時間を過ごす子供たちだ。では、1人ずつ自己紹介を。」

十中八九、俺からなのだろう。俺が先頭ということは…。

英春「は、はい、高倉、英春…。よろしく…。」

…しっかり拍手が飛んできた…。

幸伶「僕は伊佐幸伶!よろしく。」

望美「私は朝倉望美です。趣味は料理で〜す。よろしく〜。」

疾照「橋ノ口疾照と申します。癖で敬語になってしまいます。なにとぞよろしくお願いします。」

和城「加藤和城です。得意教科は理科。よろしく。」

案外あっさりと終わった。というか、俺があっさりと終わらせすぎたのだ。何か趣味とか好きなものとか言えばよかったか…。

「はい、ありがとう。じゃあ、こちらからも自己紹介しないとな。オレは、4年い組の担任、矢張直我(ヤバリナオガ)だ。じゃあ、素朗、瑞穂、幾斗以外の4人は自己紹介しなさい。」

そう先生が言うと、青髪の男が立ち上がった。

鍛朗「ボクは、鈴木鍛郎(スズキカジロウ)。日本文化が好きだ。よろしく。」

優来「私は稲沢優来(イナザワユキ)。よくバカって言われます。」

凌貴「俺は田宮凌貴(タミヤリョウキ)です。近代史は得意です。」

七夜「…私は、飯山七夜(イイヤマナヨ)…。」

クラスの自己紹介も終わり、俺たちは事前に用意されていた席に着いた。俺の席は、窓際の日がよく当たる席で、右隣は素朗である。

直我「それじゃあ、1時間目は理科だから教科書を準備しておけよ〜。」

そう言って名張先生は教室を出ていった。そして、すぐにチャイムも鳴った。休み時間の合図だ。

幸伶「ねえ英春くん、鉛筆忘れた。」

英春「…初日に忘れ物か…。…ほかの人に借りろ。お前に貸したらバキバキになって帰ってきそうだ。」

幸伶「ええ〜?そんなあ…。」

望美「ヒデ〜私には貸してくれるよね?」

英春「……お前ら、学校ってどんなところか知ったうえで来てんのか…?」

凌貴「君たちは仲がいいんだな。」

鍛郎「羨ましい限りだよ。」

望美「あ、凌貴くんと鍛郎くんだよね?」

凌貴「そうだよ。でも"くん"はいらないかな。気軽に凌貴って呼んでくれ。」

鍛郎「ボクも君付けじゃなくていいよ。」

幸伶「わかった。」

瑞穂「お〜い面白そうなこと話してるじゃねえか。私も混ぜろ!」

ふと横を見ると、疾照と和城は、素朗、幾斗、優来と話しており、早くも派閥が形成されつつある。

…前の学校では、俺は孤立していた。そのせいもあってか、同級生数人と机を囲んで温かい話をするのは、

今回が初めてだ。

…温かい話を…。…久しぶりに、会話が楽しいと思えた…。もしかしたら、このクラスのメンバーなら、信用できるのではないだろうか。

…飯山七夜とかいうやつは、1人で黙り込んでいる。

英春「おい、あの七夜とかいうやつ、何かあっただろ。」

凌貴「…親に暴力を振るわれていたんだ…。」

その言葉を聞いた瞬間、俺は察した。

鍛郎「去年、その親が捕まったんだけど、当の本人はあのときのトラウマが消えないから、人間不信になってしまったんだ。元々静かな性格だったし、本人が1人でいたいと言うから、こんな状況になってるんだ…。」

…あいつも、俺と同じなのか…。いや、

去年捕まったのなら、下手したら俺より長い間…。

直我「よ〜し、全員席につけ。はじめるぞー。」

色々思考しているうちに、授業開始のチャイムは鳴る。このことは、お預けだ。

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