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FELLO WSHIP WORLD 〜人の心を描く者より〜  作者: ハクタカ ヒバリ
解凍編

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第4話 不思議なやつら

1階を一通り見て回ったが、洋室より和室のほうが若干多い程度で、今でも十分通用するような内装だ。

…そりゃリフォームしてたら当然か。

あと、この洋室…。多分もともと和室だったんだろうな…。恐らく畳敷きの部分を板材に張り替えていて、この家の建築年が気になってきている…。

居間にはテレビだの机だの置き時計だの座布団だの、よくある和装家具がそろっているが、俺は台所に入った瞬間絶句した。

英春「すげぇ…。調理道具とか調味料が一式揃っていやがる…。」

一般的な道具から、多分使うことのないピザカッターや無駄に種類のある栓抜きなど、ありとあらゆる道具がある。…正直、祖父から散々料理を仕込まれた俺にとっては最高な環境である。しかも、コレがたった5人の子供を招くための家にあるという事実…。

たぶん、昔からこういう事をして金を稼いでいたのだろう。

英春「うわ、調味料も全部揃ってる…。」

…今思ったが、さすがにスーパーとかはないよな…。

…買い出しどうするんだろ…。


一通り見終わったらしく、全員が2階に集合した。冷静に考えると、俺の行動はあまりにも失礼すぎた。なので、自分から変わりにいかねばと思い、苦しい気持ちを押し殺して2階まで来たわけだ。

望美「みんな、もちろん自分の希望する部屋は決めてきたよね?」

幸伶「もちろん。」

疾照「もちろんです。」

和城「まあ、一応。」

英春「…ああ。」

…一瞬、全員の顔がほんの少しだけ驚きに変わったことが目に見えてわかった。そう、これ、かなりきつい。表情だけじゃあ感情を真の意味で理解できないから…。

望美「よし、じゃあ全員希望する部屋へ案内してよ。まずは英春ね。」

英春「…なんで俺が…。」

望美「いや、なんとなくー?」

そう言い切った望美の顔は、…ニヤニヤしていた。

性格が大層悪い人間だと思いながらも、俺は黙って希望する部屋へ案内した。

英春「俺は、この202号室を希望する。」

幸伶「え、僕も202号室希望…。」

望美「え、私も…。」

……なんとも言えない空気だ…。これがいわゆる"気まずい"なのである。

疾照「ここは、公平にジャンケンで決めましょ!」

望美「そうだね!」

幸伶「僕もそれでいいよ。」

英春「…いいだろう…。」

俺たちはすぐさま手を前に出した。次の瞬間、幸伶と望美は、今から格闘でもするのかと言わんばかりに構えだした。

英春「……え、なにしてんの…。」

この言葉は、何も考えずに俺の口からポロッとこぼれるように、自然と出てきた。いわゆる、無意識…。

幸伶「戦闘態勢さ…!」

…格好良く見せているつもりなのだろう…。こいつにとっては…。

俺が露骨に冷めた目をしているのを察したのか、またもや疾照が仕切り始めた。

疾照「まあ、いいや…。それでは、望美さん、掛け声をどうぞ。」

望美「よおおおし、最初はグー!ジャンケン…!」

英春「チョキ」

幸伶「パー」

望美「パー」

英春「え……。勝った…。」

幸伶「うわあああああああん!!」

望美「不正だ!不正したんだ!そうに決まってる!そうじゃなきゃ一人勝ちなんてありえないんだ!!」

英春「…不正しているように見えるか。」

こいつらは、負け惜しみをした。俺は、精一杯、哀れみと軽蔑の目を向けた。人間が嫌いすぎて、平気でこういうことができてしまうのが、恐ろしくもある…。


このあとも順調に部屋を決めていき、幸伶は203、望美は201、疾照は205、和城は204となった。

さて、あとは家具の運び出しである。なんとか倉庫の中の段ボールを全て引っ張り出すことができた。

段ボールには各々の保護者名が書かれており、俺のには祖父の名である野村覧と書かれていた。

和城「……幸伶のやつ、なんでそんなに達筆なんだよ…。」

英春「確かに…。」

幸伶「あ、これ?親の趣味だよ。でもさー乾いたあとに発送してほしいよ…。」

その段ボールには、多分、墨で書かれた文字が記してあり、伊佐の文字は読めるが、その次の2文字は完全にこすれて読めなくなっている。3文字目がどことなく"財"の字に見えること以外はヒントなどない…。

みんなは色んなものを持ってきていたが、俺の持ち物と言えば、文具に十数冊の本、布団、和室用机、カメラ、腕時計くらいしかない。まあ、おかげさまで軽かったのだが。


そのあと、全員が夕食と風呂を済ませ、今は各自自由に過ごしている。

…正直な直近報告をしよう…。望美が想像以上に量を食った。今日の夕飯はカレーだったのだが、それなりに大きな寸胴で作ったのに15分もすると望美が全部平らげたのだ。おまけにまだ食べ足りないと言って自分で追加分を調理しだす始末…。

あいつヤバい…。胃袋ブラックホールだ…。

そのとき、俺以外の全員が「またか」という顔をしていたので聞いてみると、彼らは小3の時に同じクラスだったらしい。もっと詳しく聞いてみると、

俺もこいつらと同じ学校だった…!!

どうやら俺だけ一度も同じクラスになったことがなかったらしい…。

どういうこっちゃ。

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