表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
FELLO WSHIP WORLD 〜人の心を描く者より〜  作者: ハクタカ ヒバリ
真夏編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/34

第31話 木枝ノ内戦

あれよあれよと休日も終わり、また平日が始まってしまった。その場にいる全員が文句を言い合っているのだが、その対象は、平日ではなかった。

瑞穂「あ〜つ〜い〜…。」

鍛郎「ああ、死ぬ…。」

幾斗「SHINU。」

七夜「もう…、むり…。」

素朗「暑すぎる…。ヒデ、凌貴、扇風機の風量上げて…。」

英春「いや、…動けん…。」

凌貴「こ、これ以上上がらない…。」

優来「とける」

望美「とけました」

和城「ごいりょくがなくなります」

疾照「ぜ〜〜〜〜〜…。」

虎彦「ろ〜〜〜〜〜…。」

剣蔵「だ〜〜〜〜〜…。」

幸伶「な〜〜〜〜〜…。」

まずいだろう?この状況。この学校、エアコンがないのだ。あるのはボロボロな扇風機だけ。

それも、まともな風量が出るとは言えない。

そのため、窓を全開にして少しでも風が入るようにしているのだが、それでも効果は薄い…。

あまりの暑さに、皆、正気を失っているのだ。

笑い話ではない。運動会の前に熱中症になった俺が断言する。

そんなこんなで、みんなが瀕死になっている中、先生が入ってきた。

直我「よ〜〜〜し…、みんな…、席につけ…。」

なんと、先生はこんなときでもシャツを着て、長ズボンを履いていた。

全員「大人すげえ……。」

直我「今日はな…、あまりにも暑すぎて、警報が出てる。よって、帰宅命令が出された。」

全員「……いえええええいいいいいあああああああああ!!!!」

そのとき、教室内は運動会のとき以上に団結した盛り上がりを見せた。

その言葉を聞いた瞬間、妙な開放感に全員があてられたからだ。

全員すばやく帰りの支度を済ませ、全員でダッシュして教室のドアを越えた。

直我「そんなに走ると疲れるぞ…。」

瑞穂「小学生だもんな!元気なんだよ!」

直我「そんなもんか…?」


俺たちは、すぐさま各々の家に帰ったが、俺たちの家は、エアコンの電源をつけてない。つまりどういうことか。…冷えるまでまた瀕死になる必要がある。

そのため、俺たちはすぐさま湖に向かった。

なぜか。泳ぐためである。夏は水泳に限る。

幸伶「いや〜水着持ってきててよかったー!」

望美「学校で使ってるやつだけどね。」

本来なら、体育の時間は水泳になる予定だったのだ。

この場にいる5人は、全員水着は持っていることになる。

疾照「では、着替えてきますね。」

望美「ぜ〜〜ったい来ないでよッ」

幸伶「大丈夫だよ、興味ないもん。」

英春「早く行ってこい。」

和城「道路を素足で渡るなよ。」

望美「キーー!!幸伶だけなんかムカつく!!」

幸伶「何で僕だけ!!」

2人がどこで着替えるつもりなのかはわからないが、暑さでやはりテンションがおかしくなっているらしく、望美も幸伶も普段は言わないようなことを言っている。

さて、湖のほとりには、俺たち男子3人組が残されたわけだが…。

幸伶「…着替えるの、面倒だよね…。」

英春「……正気か…?」

和城「……一理あるな…。」

英春「ねえよ。」

幸伶「…このまま飛び込もうよ。」

和城「いいねえ。」

英春「…誰が洗濯すると思ってんだ。」

幸伶「英春くん…。今日くらい別にいいじゃん。楽しもうよ。」

英春「…仕方ない。このまま飛び込むぞ!!」

幸伶「うおおおお!!」

和城「やあああああああ!!」

俺が叫んだのを皮切りに、2人とも湖に向かって走り出し、思いっきり飛び込んだ。幸いにも体をぶつけるほど浅いわけではないようだ。

幸伶「ふう!!最高!!」

和城「夏だなあ。」

英春「意外と深いな…。」

先ほど浅くはないと言ったが、身長147cmの俺でもギリギリ顔が出るほどである。…この2人は俺より背が低いのに、どうやって顔を出してるんだ…。

…立ち泳ぎか…。

幸伶「ギャアアアアアア!!足つった!!」

和城「あー、じゃあな、幸伶。」

英春「今度のお盆にまた会おうな…。」

幸伶「ちょっと!!見捨てないでよ!!…あ…。」

その時、幸伶は何かを察したかのように真顔になった。

次の瞬間、幸伶は無抵抗でブクブクと沈んでいった。

英春「本当に沈んでどうする!!」

和城「幸伶、上がってこい。」

はじめ、反応はなかったが、少しするといつの間にか仰向けになっていた幸伶が浮かんでいた。しっかり生きている。

幸伶「死ぬかと思ったよ!」

英春「そんな満面の笑顔で言われてもな…。」

幸伶「だって面白い感覚だったんだもん。」

そんなふうにして着衣水泳を楽しんでいると、望美と疾照が戻ってきた。

2人は水着に着替えたようだが、いつもの服のままの俺たちを見て、大変困惑しているようだ。

望美「…なんで服着てるの…?」

和城「面倒だったからさ…。」

疾照「…英春さんは止めなかったんですか…?」

英春「…いや、なんか吹っ切れた…。」

というわけで、男と女の間で微妙な空気が漂い始めた。疾照が言葉にしない怒りを振りまき始めたので、俺たちは勘弁して湖から出た。


幸伶「何しようね。」

和城「完全に暇になったな…。」

俺たちは湖のすぐ近くの森に移動し、日陰で涼んでいた。幸い、水のなかにいたためかなり涼しいが、なにせやることがない。すぐそこから望美と疾照がはしゃぐ声が聞こえるため、大変うらやましい限りである。

幸伶「あ、こんなところにちょうどいい枝がたくさん!!」

英春「え、それ、どうする気だ…?」

幸伶は、その辺に落ちている木の枝を何本か拾い始めた。どれもこれもおおよそ50cm程度はある。

幸伶「チャンバラでもしようよ。」

和城「久しぶりだな。」

英春「チャンバラ…。俺、やったことないんだが…。」

幸伶「大丈夫だよ。適当に振り回せばいいんだし。」

和城「そのせいで2人ともけっこう弱いんだけどな…。」

幸伶「はい、英春くんの枝ね。」

俺の手には、いつの間にか枝が1本置かれていた。

…しかたない、やるか…。


何回戦かしたのだが、俺が圧勝した。なんというか、2人の剣さばきが遅すぎるのだ。

幸伶「つ、強い…。」

英春「…もう少し踏ん張れよ…。」

和城「…腹立つな…。」

幸伶「もう2度と英春くんに勝負は滋賀県…。」

英春「それを言うなら"仕掛けん"だろ…。」

散々戦ったので、いつの間にかかなりの時間が経っていた。少しすると、すでに着替えていた望美と疾照もやってきた。

望美「疲れたー。もう帰ろうよ。」

和城「そうだな…。」

疾照「英春さん、今日の夕飯もうレトルト食品にしましょ…。」

英春「ああ…。そうだな…。」

せっかくの"突然な"休みなのに、疲れてしまった…。

今日は早く寝よう…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ