第26話 真夏の本番
なんと、作者がまた懲りずに挿絵を載せました。
そして、相変わらずの下手であると…。
7月になり、とうとうこの日が来てしまった。
運動会…!!
今日まで散々練習させられてきたが、果たして、2、4、6年チームは勝つことができるのか…。
普段は各々私服で来ているのだが、今日に限っては、全員体操服だ。
幸伶「楽しみだなあ。運動会。」
望美「うう…、暑い…。」
和城「騎馬戦、勝たないとな…。」
単純に楽しもうとするやつ、ただ暑さに文句を言うやつ、プレッシャーに打ち勝とうとしているやつ、いろいろいるが、俺は3つ目のタイプだ。
騎馬戦の主戦力である以上、はい負けましたでは済まないからだ。
…まあ、そんな事、考えるだけ無駄か…。
どうせやらないといけないことには変わりないのだ。
素朗「おはよう5人とも。」
瑞穂「やあやあ。」
幾斗「OHAYO!」
疾照「3人は朝から元気ですね…。」
素朗「そんなことないよ。緊張してるよ?私は。」
校門の前で、素朗たちと会った。
そのまま俺たちは教室に向かう。
英春「………。」
疾照「………。」
和城「………。」
素朗「………。」
どういうことだろう…。今、俺の視界に映る光景を、ありのままに説明する。
…虎彦と剣蔵が、教卓で筋トレしている…。
冗談ではない。なぜか2つに増えている教卓を、2人は寝転がりながら持ち上げたり下ろしたりしているのだ。
幸伶「すご〜い!虎彦くん、僕にもやらせてよ!」
ここにもヤバイ人が1人…。
英春「…なんでコイツラを野放しにしてんだ…。」
鍛郎「とめることができないからだ。」
英春「なるほど。」
なぜかそのひと言に納得してしまったが、うるさいし邪魔だし、見ていて暑苦しいので、俺たちは仕方なく職員室へ赴いた。
直我「おう、とうしたみんなそろって。運動会はまだ始まらないぞ。」
英春「そうじゃないんですよ。」
瑞穂「虎彦と剣蔵、幸伶が変なことやってるんだ。」
凌貴「教卓で筋トレしているんですよ。」
直我「………???」
矢張先生も、このひと言の理解に手間取ったらしく、数秒沈黙した。
直我「…わかった…。とめてくる…。」
その内容にどうも納得ができていないのだろうが、
とりあえずは俺たちの教室に向かった。
その後、例の3人はしっかり説教を食らったのだ。
校庭に出ると、既に親族をはじめとした見物人がかなり来ていた。
俺たちは3年生と5年生の間に背の順で座っていく。
両側を敵に挟まれて、かなり圧を感じるが、そんな事は言ってられない。開会式も終わり、1年生と2年生の競技が始まる。
和城「…風の噂なんだがな…。」
虎彦「風の噂か。なら嘘だな。」
和城「聞けよ…。まあいいか…。なんか、今年の奇数学年は、結構仕上げてきたらしいぞ。」
英春「なんだよ仕上げてきたって…。」
鍛郎「内容がふわっとしすぎだな…。」
虎彦「やっぱり嘘じゃねえか。」
和城「誰もこの話を本当だって言ってないんだよな。」
無駄に雑談している間にも、競技が終わってしまった。結果は、1年生の勝利である。
望美「ハンデがあからさますぎるよ!」
疾照「これは…、やっぱり世間からは批判されますね…。」
女子勢も何か意見しているのだが、そんな事はどうでもいい。次は、4年生個人戦の徒競走である。
開会式から時間も経ち、日がさんさんと振り注ぐ中、俺たちは指定の位置に集まった。
俺の対戦相手は、幸伶と鍛郎である。
まず負けるだろうが、とりあえずは頑張るしかない。
俺たちは2番目。その前に、虎彦、和城、凌貴が並んでいる。
集合してしばらく経つと、号令がかかった。
「それでは、ただいまより、4年生徒競走を、始めます。先頭の人は、最初の位置についてください。」
この言葉を聞いた瞬間、3人は指定の位置についた。
トラックが曲がっているので、1番外側の凌貴が、かなり前に出た。
「位置について〜、用意……!!」
次の瞬間、実弾のような音を立てて、ピストルが撃たれた。3人とも、全速力で走り始めたのだが…、
突如、笛の音が鳴った。
鍛郎「な、なんだ…?」
英春「…そういうことか…。」
「虎彦くん、フライングですよ。」
虎彦「えええ!?嘘おおお!!」
和城「何やってんだ!」
凌貴「ちょっと疲れた…。」
虎彦「ごめんって。」
「では、改めまして、位置について、用意……!!」
またしてもピストルの音が鳴り響いた。今度はフライングもなく、選手は全員全力疾走をしている。
幸伶「は、早い…!」
英春「あの3人、しょっちゅう校庭で遊んでたもんな…。」
鍛郎「さすが…。変なことまでして鍛えてただけある。」
ほんの少しの時間で、第1走の決着は着いた。
1位は、虎彦である。
そして、結果がわかるとすぐに次の列が走り始める。そう、俺たちだ。
「位置について、用意……!!」
ピストルの音が鳴り響いた瞬間に、俺たちは走り始めた。幸伶は1番内側、鍛郎は1番外側で、俺はちょうど真ん中。程よいカーブで曲がることができる。隣を見ると、ほぼ互角のスピード。
まさに、俺たちはデッドヒート状態なのである。
終盤、と言えるような時間的長さもなかったが、とにかくその時になるまで気が抜けない戦いになり、俺は2位、1位は幸伶という結果になった。
幸伶「ふう。疲れたね…!」
英春「ぜぇ……ぜぇ……。つ、つらすぎる…。」
俺は本気で走ったので、もう既に息が上がっていた。
足もひどく痛む。…まあ、これはその時だけの話なので、騎馬戦の時には何の問題もなくなるのだが…。
鍛郎「いやあ、いい戦いだったね。」
幸伶「次の競技では、仲間として、よろしくね。」
英春「…ああ。もちろん。」
運動会は、まだ始まったばかり。まだまだ種目はある。




