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FELLO WSHIP WORLD 〜人の心を描く者より〜  作者: ハクタカ ヒバリ
真夏編

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第23話 季節外れ

梅雨の季節では珍しく、今日は晴れだ。傘をささずに登校できるのはありがたい。

いつも通り教室に入ると、みんなの目がいつもよりギラギラしていた…。

幸伶「…え、どういうこと…?」

望美「み、みんな、どうしたの…?」

素朗「とうとう、この時が来たんだ…。」

凌貴「夏にやるもんじゃない、この祭典が…。」

おい、本当にどうした2人とも…。キャラがブレてるぞ…。

和城「いや、本当になんなのか見当がつかんのだが…。」

瑞穂「…運動会だぁ…!」

その瞬間、みんなの鋭い眼光の原因がわかった。

おおかた、運動会で勝利をつかみたいのだろう。

聞いた話によると、この学校の運動会は、奇数学年と偶数学年に分かれて競うらしい。

4年生の仲間は、2年、6年。

赤組白組で分けないところは珍しいが、…なんで今…?

英春「…ほぼ雨の中どうやって運動会なんてする気だ。」

鍛郎「そりゃ、7月さ。」

幸伶「7月!?」

望美「暑いでしょ!」

疾照「さすがに時期がおかしいのでは!?」

和城「よし、辞退しよう。」

さすがに7月は、熱中症のリスクが高すぎる。

俺も辞退したい。運動会は、読んで字のごとく運動の祭典。運動できない人間にとっては地獄そのものなのだ。

今日は6月23日。運動会は7月21日と、結構な空きがある。その間に練習しておけということだろう。

凌貴「体育の時間はしばらく運動会の練習になるな。」

素朗「まあ、仕方ないよ…。そういうものなのさ…。」

これは…、なかなかつらい1ヶ月になりそうだ…。


晴れということもあり、久しぶりに外での体育となった。俺ら児童を横目に、先生はかなりやる気らしく、

結構声が大きい。

俺たちは、玉入れと徒競走(個人戦)、騎馬戦(対3年生ハンデあり)を行うらしく、今日の練習は騎馬戦のようだ。俺は、凌貴、剣蔵と共に騎馬で、大将は和城だ。

奇しくも騎馬が高身長揃いなため、確実に主力扱いされるのだろう。…これはまた、面倒くさそうだ。

そして、俺にとっての1番の問題は、大将である和城を持ち上げることができるかどうか、である。

もちろん、和城の体重をほぼ3分割して持ち上げることは存じている。しかし、俺は正直言って力などない。ほとんど凌貴と剣蔵任せになる可能性がある。

直我「よし。まずは3人組で騎馬の隊形を作るぞ。大将が乗るのはその後だ。」

ちなみに、人数の都合上疾照と七夜は戦争に参加せず、実況に徹するようだ。

俺たちの騎馬は、最前線が剣蔵、向かって右が凌貴、左が俺だ。

剣蔵「隊形は簡単なんだな。」

凌貴「本当にこんなんで乗せれるのかな…。」

英春「確かに…。もう少し固まったほうがいい気がするけどな…。」

人数が人数なので、先生の確認もすぐに終わった。

直我「よし。じゃあ大将の人は、十分気をつけて騎馬に乗りなさい。落ちるなよー。」

和城「…よし、乗るぞ…。」

剣蔵「ああ。任せろ。」

凌貴「変なとこ踏むなよ。」

英春「……。」

和城は、やけに慎重に俺たちに乗った。しかし、思ったほど重圧感を感じるわけではないようだ。

少しすると、俺たちも慣れてきたため、少しずつ立ち上がり、騎馬の俺たちは普通に立てるようになった。

和城「うわー、見える景色が高い…。」

英春「なあ、これで俺らは走り回るんだよな…。」

凌貴「方向は和城が決めてくれるからいいとして、俺たちが規律よく走らないと転ぶよな…。」

剣蔵「俺、規律よくなんてできんぞ?」

和城「…終わったな…。主戦力がこれじゃあ…。」

俺らは、何かを察したかのように、他の2組に目を向けた。

…が、俺らの予想は、かなり的を外した。

女子チーム(望美、素朗、瑞穂、優来)は、俺たちのような状況だったが、問題は幸伶を大将とした、幾斗、鍛郎、虎彦のチームだ。

メンバーを聞いただけでもう嫌な予感しかしないだろう。まともなのが鍛郎しかいない以上、中和しきれずにヤバい行動に走るに決まっているのだ。

幸伶チームは、当たり前のように校庭を縦横無尽に駆け回っていたのだ。もちろん、騎馬状態を継続したままだ。

あいつらも、騎馬戦は未経験だと言っていた。それなのに、まるで経験者かのような振る舞いに、俺たちも、女子チームも、そして先生も、開いた口がふさがらなかった…。

剣蔵「お、驚き轟きクスノキだぜ…。」

和城「……………。」

凌貴「……………。」

英春「……………。」

…急に鳥肌が立った。変だな…。今は初夏のはずだが…。

和城「…僕らも、歩いてみようか…。」

剣蔵「そうだな。やってみんとどうなるかはわからんし。」

英春「それもそうだな。」

凌貴「まあ、そうだよね。」

和城「よし、まずは右に90度旋回だ。」

それを聞いて、俺たちは恐る恐るではあるが、何とか回ることができた。やはり、かなり難しい。

声を出し、お互いを指揮し合ってようやく90度の旋回なのだ。

和城「よし、じゃあ、向こうまで前進。」

俺たちは、何とか歩き出した。慣れない動きのせいで普段の歩行より遅いが、何とか進めている。

その間も、幸伶チームは騎馬状態で爆走していた。

なぜ疲れないのかは知らないが、この後、コツを聞く必要があるらしい…。

剣蔵「なーんだ、意外と簡単だな。」

凌貴「おい、剣蔵!あんまり早く移動するな!って、うわッ!!」

英春「お、おい!!」

和城「うわああああああ!!」

剣蔵が急に速度を上げたため、バランスが崩れて騎馬は崩壊。和城は落っこちた。

そのあと、和城は保健室送りになり、剣蔵は先生に叱られていた。

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