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FELLO WSHIP WORLD 〜人の心を描く者より〜  作者: ハクタカ ヒバリ
執行編

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19/33

第19話 さてその後は

殺人犯潜伏事件から、1日が経った。

速報で映像をおさえるためか、外から報道陣と思われる声が聞こえてくる。…うるせえ…。

未だに学校は現場検証の場として使われ、まともに授業ができない。そのため、今日は休校だ。

…が、宿題はある。

幸伶「もー、なんで授業をする暇はないのに宿題を出す暇はあるのさ。しかも社会だもん。」

望美「私も…、社会は苦手かも。」

英春「…社会は暗記が全てだ。」

幸伶「それができたら今苦しんでないよ。」

俺は社会が得意だ。算数などのほうがよっぽど苦手なのだ。

英春「それに。小4の社会は郷土についてだろ?東三河だけなんだからまだマシだろ。」

幸伶「いやいや、東三河って言ったって豊橋に豊川、蒲郡、田原、新城、東栄、設楽、豊根、小坂井、宝飯一宮、音羽、渥美、御津、鳳来、追風、作手、津具、三河富山って、めちゃくちゃ市町村あるじゃん!」

英春「覚えてるじゃねえかよ…。って、おいおい。お前の手元にあるその教科書、何年製だ…?」

幸伶の手元には、社会・三河と書かれた教科書があった。たぶん市町村名は教科書からそのまま言ったのだろうが、なぜか既に合併されて存在しない市町村も、やつは述べた。

幸伶「えーっと、どれどれ…?あ、2004年製だ!!」

英春「なんでそんな古いの持ってるんだよ!あと今のやつはどこやったんだ!」

望美「2004年って…。」

幸伶「えー?これは居間の机にあったやつだよ?」

…ん?居間…?

幸伶「…裏に"高倉英春"って書いてある。」

英春「俺のじゃねえかよ。」

案の定、その教科書は俺のやつだった。ってことは、幸伶が手に持っているそれは、教科書ではなく市販の資料集ってことになる。

…この前ここでそれを読んでたよな…。

ああ、俺が悪いな…。コレは。

…いや、机の上にあるものを勝手に使うほうが悪いな…。

疾照「大変ですね…。これ、飲んでください。」

疾照が麦茶を持ってきてくれた。お盆から一つずつ手に取り、全員の前に置いていく。

望美「ありがとー!」

幸伶「助かるう〜!」

英春「ありがとう。」

疾照「にしても、まだ終わってないんですか?結構簡単な部類ですよ?」

望美「いやいや、苦手な人にとっちゃ難しいよ!」

疾照「え、英春さんに教えてもらってるんじゃないんてすか?」

英春「いや、教えてないが…。」

幸伶「いやいや、いくら社会が得意な英春くんだってまだ終わってないでしょ〜。…終わってるぅ!!」

英春「勝手に人のものを見るなッ!」

そりゃそうだろう。面倒くさいから後回しにしていただけで、幸伶から3人で宿題やろうって誘われなければすぐ解いて本でも読んでいたさ。

第一、俺は開始数分で解き終えた。

望美「いや、でもさ、疾照も終わってないでしょ?」

疾照「…もう終わってますよ。後回しにしたら面倒くさいので。」

幸伶「ぐああああああ!英春くん!教えてくれええ!」

英春「嫌だ。面倒くさい。」

俺は自分の前に開かれた問題集を閉じ、自室に戻った。

後ろから慈悲を求める声が聞こえてくるが、助けてもろくなことにならないので、無視したほうがいいだろう。部屋に入って、俺は読みかけの本を開いた。

…そういえば、和城はどこ行った…?まあ、どこだっていいか…。

俺は、部屋に置いてあるテレビをつけた。小さいものが、中古で売っていたのだ。

愛知県内のローカルテレビにチャンネルを変えてみた。

相変わらず殺人犯潜伏事件のことばかり報道してやがる。ほかのことも流してほしいものだね。

テレビもあまり面白くなさそうだ。電気代がもったいないので、テレビを消した。

暇だからと言って、外に出ると報道陣の取材をやらされる可能性がある。

家の中で暇をつぶすしかないのだろう。

そのとき、下から大声で名前を呼ばれた。

幸伶「英春くん!素朗から電話だよ!」

電話…。みんな携帯を持ってないから、インターネット回線の固定電話を置いているのだ。

話し声が聞かれるのはなんか嫌だったので、幸伶たちには居間から出て行ってもらった。

素朗「もしもし、英春。そっちの前にも報道陣っていたりする?」

英春「よく通っているな。それがどうした。」

素朗「いや、みんな軒並み幸伶を探してるらしいよ。声が聞こえてきたんだ。そっちの家を教えても大丈夫かな…。」

俺はすかさずやめろと言った。報道陣は基本的に人のことを考えない集団だ。

そのうるささがより増すようなことをしたら、家どころか近所にも迷惑がかかる。

それに、家がニュースによってさらされるのも避けたい。

…俺は、とある考えを思いついた。幸伶の気持ちなど考えていない、身勝手なものだが、日ごろ面倒くさいことを押し付けてきた罰だ。

英春「幸伶を学校の前に向かわせておく。素朗は報道陣に、そっちへ向かわせるよう誘導してくれ。」

素朗「…そういうことね。任せなさい…!」

結託成功。居間には俺しかいないが、おそらくこの時の俺は、とんでもなく悪い顔をしていたに違いない。

幸伶に学校に行けば宿題なしになると嘘をついたら、疑うことなく外へ出た。数秒経つと、幸伶の叫び声が聞こえてきたが、知るもんか。まあ、せいぜい反省しなさい。

俺は…寝よう。

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