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銀色の風  作者: 紫音
~第1章~
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151.最後のお茶会

アレクシウスとフローリアの二人だけのお茶会は王城の庭園で行われることになった。

大き目のガゼボに7人分の席を用意させ、用意が済むと女官は全員下がらせた。

この庭園にある大きめのガゼボは王宮の建物からは見えるので婚約中とはいえ王子と王女が会っていても密室と言うことは無いので、下手な噂をたてられる心配はない。

7人分の席は、アレクシウスと従者が二名、フローリアと従者が二名、そして人の目には見えることのないシルフィーナの席だが、フローリアの荷物を置くという理由で椅子を用意させた。

神使三柱は各々の主の後ろに控えているが、これも人の目には見えない。

もし近くに人が来ても会話を聞かれないように結界を神使たちが三重に張っている。


「ねえ、あのガゼボはアレクシウス様とフローリア様がお茶をしていらっしゃるんだけど、何だか白っぽく見える気がするの。気のせいかしら?」

「え?そう?距離があるからかしら?お顔ははっきり見えないけど、白っぽくは見えないわよ」

「アレクシウス様がお笑いになっているお声は聞こえるわね」

「美しいお姫様がお城にやってきて、嬉しいのでしょうね」

「フローリア様は16歳なられたばかりなのでしょ。あの気品のあるお姿はとても16歳とは思えない落ち着いたご様子だったわ」

「ええ、アレクシウス様ととてもお似合いで、お二方ともとても美しいのでお揃いの所をちょっと覗きに来たの」

城の生活面を担う女官、官僚の官女、たまたま王宮に居合わせた令嬢など、やたらとギャラリーの多いお茶会だが、誰も招待をされていないので、近づくものは居ないが、一応近衛騎士は配備されているので、そもそも近づくことは出来ない。

アレクシウスの兄である王太子リチャードがたまたま通りかかり

「みんな見学は良いけど仕事もしてもらわないと困るね」

と一言ギャラリーに声をかけたときは蜘蛛の子を散らすように使用人たちは散っていったが、貴族の令嬢はその場にとどまった。

「だめですよ、あの二人の邪魔をしてはね。私もアレクシウスに、近づくな、と言われているんですよ」

と笑いながら去っていった。


流石にお茶のお代わりは、暖かいお湯が必要なのでガゼボからダーレンがポットをもってガゼボに近い廊下に控えている女官にお茶のお代わりを頼む。

ガゼボに持って行くのもダーレンだ。

2回目のお代わりの時にはダーレンとセムスが一緒にガゼボから出てきた。

「セムス、この女官がアンナと言う名前で、アレクシウス様担当の女官頭をしているんだ。アレクシウス様にご用の時に私たちが捕まらなければアンナに言うと良い」

「アンナ、私はフローリア様の従者のセムスです。以後、よろしくお願いします」

アンナはスカートをつまんで女官のする挨拶をした。

「アンナでございます。何なりとお申し付けくださいませ」

アンナからお茶の入ったポットを受け取ると、ダーレンとセムスはガゼボに戻っていった。

その途端、アンナの後ろに控えていたアレクシウスとフローリアの身の回り担当の女官から感嘆の声が上がった。

「アレクシウス様は大変神々しく凛々しいお方ですが、従者様までなんと素敵なお方なんでしょう」

「ダーレン様はよくお見かけしますが、セムス様は初めてお近くでお会いさせていただきました」

「ガゼボにはまだカイル様と言うフローリア様の従者様がいらっしゃるのですよね。お近くでお会いしたいわ」

と、神従達までも女官たちの噂の的になっていたのだった。


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