148.お邪魔神
そう言いながら、ガイの顔に接吻を落としていた。
不意に巨大な神気がシルフィーナの真後ろに二柱現れた。
慌てまくったガイを両腕と両足で抑え込む。
「あなた達、起きているなら、王城に来なさいよ!」
開口一番、フローリアの雷が落ちた。
フローリアの横でアレクシウスが呆れた顔をしていたが、その反面ほっとした表情にも見えた。
「あ、お姉様、お兄様も、いらっしゃいませ」
じたばたするガイを抑え込んだままシルフィーナは振り返りながら挨拶をした。
「あのな、神使を入れたまま挨拶するか?」
とやっぱりアレクシウスは呆れていたようだ。
「いえいえ、まだお籠り中ですので、ガイが入ったままで失礼します」
私は悪いことはしていない、と言わんばかりにシルフィーナは言った。
「じゃあ、そのままでいいわよ。キアの報告は聞いた?夫人が妊娠しているって」
「は、はい、聞きました!」
とガイが前のめりで答える。
「そうなの?じゃあ、1週間後に定着ですね」
シルフィーナはキアの話を聞いていなかったようだ。
「これから夫人の体を見て来るわ。あなたも来なさい」
とフローリアが言うが
「え!まだ嫌です。もっとガイを虐めたいもの」
「シルフィーナ!あなたの定着でしょ!」
「フローリア、シルフィーナはまだお籠り中だ。俺たちで様子を見てこよう」
「お兄様はシルフィーナに甘いわ!」
「だが、お籠り中の邪魔など俺はあまりしたくない。お前だってお籠り中に邪魔はされたくないだろう?」
「ええ、まあ、そ、そうね。分かったわ。今日は夫人の様子を見て帰るわ」
「ああ、そうしよう。シルフィーナ、邪魔したな。お籠りが終わったら王城に来い。定着の打ち合わせをしよう」
フローリアをなだめたアレクシウスが言った。
「はい、お兄様、お姉様。ありがとうございます」
と笑顔と言葉は麗しい女神だが、体勢はガイを入れて両腕両足で抑え込んだままだった。
当のガイはフローリアの剣幕に小さくなっていたが、入ったままで抑え込まれて動けない、と言ったところだ。
二柱の神がシルフィーナ達の部屋から出て言ったら、つい笑いが漏れてしまった。
「ガイ、とんだ姿を神にさらしてしまったわね。私たち何も着ていないしくっ付いたままだし」
さっきまでフローリアの剣幕に青くなっていたガイだが、シルフィーナにそう言われ一気に恥ずかしくなった。
「で、でも、あの場合はどうすれば良かったのか、今考えても思いつきません」
シルフィーナは考えて
「そうねぇ、シーツでグルグル巻きにしても良かったかしら?」
と言ったら、ガイが
「では、次回はそうします」
と答えた。
「次回なんてまっぴらごめんだわ。お籠りをわざわざ覗きに来なくても良いじゃないの!って思うのだけれど」
ガイはきょとんとしたが、やっぱり二柱で笑い転げるのだった。




