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銀色の風  作者: 紫音
~第1章~
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144.最後のお籠り

アレクシウスとフローリアがラナダ王国からスタニスラガ王国への移動は一週間かかる。

シルフィーナが使っていたスタニスラガ王国の部屋はフローリアの為の改装が既に済んで、新たな主を待つばかりになっているそうだ。

肝心のシルフィーナは、生家となる予定のモリエール侯爵邸で一週間のガイとのお籠りに入っていた。

アベルとルーカスにはすでに連絡済みなのでお籠り中は会えないのを我慢してくれている。

前回のお籠りの時にはアレクシウスが不可侵の結界を張ってくれたが、今回はキアが張ってくれた。

三重に結界を張ったシルフィーナは、ゆったりとした時間の中、ガイに女神の愛を一週間かけて授けるのだった。


一週間後、ガイが目を覚ますとシルフィーナはまだ自分の腕の中で眠っていた。

自分自身はシルフィーナの中に入ったままだが、まだ抜くつもりはなかった。

もうすぐ、このいとおしい女神はモリエール侯爵夫人の体内に定着する。

産まれるまで約九か月、神霊体を顕現出来るようになるまでさらに一か月

我慢できるだろうか?我慢できなくてもぶつける相手がいない。

そのために話を聞いてくれるアレクシウスとフローリアの神族と仲良くするようにシルフィーナが言った。

それにアベルとルーカスがいる。

一番自分に存在が近く、なんだかんだと言われているが同じ主を頂く仲間である。

「う~ん」

シルフィーナが少し動いた。

あまりの可愛さと動きが刺激になりシルフィーナの中の自身が高ぶるのが分かる。

「・・・シルフィーナ様・・・」

声を出してしまったがために女神が覚醒してしまったようだ。

「・・・がぁいぃ・・・」

まだ眠りの中のように優しい声で名前を呼ばれた。

「・・・はい、ガイです。シルフィーナ様、お動きにならないでください」

聞こえたのか聞こえなかったのか、女神は夢見心地で目の前にあるガイの胸に接吻をする。

「・・・ああ!」

切ない声がガイの口から洩れた。

体を揺さぶられたのにシルフィーナはガイにしがみ付いたまま離れなかった。

「・・・ガイ、がんばったの?ガイ、きもちよかった?ガイ、もっと?ガイ、だいすきよ」

「はい、シルフィーナ様、はい!」

シルフィーナはガイの返事に満足そうにまた眠りに落ちた。


それから数時間して、キアがやってきた。

キアは自分が張った結界を解き、ガイに声をかけた。

「ガイ、眠っているのですか?」

ガイは少し顔を上げたが返事はしなかった。

まだまだお籠りの続きをするつもりなのだと悟ったキアは、報告だけした。

「アレクシウス様とフローリア様がスタニスラガ王国に到着なさいました。先ほどモリエール侯爵夫人の体を見ましたところ妊娠はされており、まだ分裂は少ないですが順調だと思います。また来ます。ごゆっくりお休みください」

キアは情報をしゃべるだけ喋って不可侵の結界を張り直しさっさと消えた。

ガイは愛おしいシルフィーナを抱きしめ、暖かさを感じながら眠りに誘われていった。


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