表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
銀色の風  作者: 紫音
~第1章~
143/533

141.スザリオ伯爵家のアベル

スザリオ伯爵邸では、晩餐が済んだ後のようで家族の為の居間で子供たちが遊んでいた。

その中にアベルも混じっていて、兄や姉たちとボールを転がして的に当てるようなゲームをしていた。

年の離れた長兄はすでに13歳ぐらいなので全くアベルは付いて行くこともかなわないが、姉たちにかわいがってもらっているようだったのでシルフィーナは安心した。

シルフィーナに気が付いたアベルはこちらを見たが、

「アベル、知らない顔をして、こっちを見てはダメよ」

とシルフィーナが言うと、アベルは目をそらして姉たちと遊んでいた。

「シルフィーナ様、今日は早いですね」

と遊びながら神霊体のアベルが問いかけてきた。

「ええ、今日からモリエール侯爵邸の一室で寝泊まりすることになったの。王城のお兄様の隣の部屋はお姉様が使うことになったので改装するからって追い出されちゃったわ」

「なんと!無慈悲な!」

子供アベルが一瞬こっちを見たが、ハッとして目をそらした。

「大丈夫よ。モリエール侯爵邸はとっても静かでよく眠れるの。こちらの方が快適よ。ねえ、ガイ」

「はい、私も良く眠れました」

と、ガイがシルフィーナをお姫様抱っこしたまま答えた。

「ガイ、何でシルフィーナ様をお抱きしているんだ?」

とアベルが訝しむ様に聞いて来た。

「それはシルフィーナ様が動くのが面倒だとおっしゃるので抱いたまま移動しています」

「お前は乗り物か!」

「はい、私はシルフィーナ様の乗り物です」

とガイがしらっと答えたので、シルフィーナとアベルは大笑いした。

不意にスザリオ伯爵夫人の声が響いた。

「さあさあ、かわいい子供たち。そろそろお休みの時間ですよ。皆侍女たちと一緒にお部屋に戻っておやすみなさい」

そう声をかけられた子供たちは順番に夫人にお休みの挨拶をしてそれぞれの部屋に引き取っていた。

アベルも例外ではなく侍女と乳母と一緒に部屋に戻るのを後ろからガイがシルフィーナを抱いたままついて行った。

アベルは寝間着に着替えをしてもらい、ベッドに入ると乳母が子守唄を歌って寝かしつけてくれた。

「早々に寝た振りしますね」

と神霊体のアベルが言ったのでしばらく待つと、乳母はそっと部屋を出て行った。

「シルフィーナ様、接吻を」

全身の神霊体を顕現したアベルは、やはり開口一番がこれだった。

ガイから離れアベルの胸に飛び込んでたくさんの接吻をして抱きしめてもらった。

「アベル、伝えることがあるわ。あと1週間したらお兄様とお姉様がスラニスラガに向かってラナダ王国を離れるわ。その時、ガイとお籠りするわね。定着までのこれが最後のお籠りよ。お籠りに入る前にはちゃんと伝えに来るから」

「そうですか、もうすぐ定着なんですね。分かりました。ガイ、シルフィーナ様に無理をさせるなよ」

「はい、分かりました」

「それからアベルにこれをプレゼント」

そう言うとシルフィーナはアベルにガイとおそろいのデザインのペンダントを神技で付けた。

「これはガイのペンダント、の、色違いですか?」

「そう、この後にルーカスにもつけてあげるの。私の神族みんなでお揃い。三柱とも私の物よって意味を込めてね」

「嬉しいです!ガイのペンダントが良いなって思っていたんですよ!ありがとうございます」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ