↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
祖父の工房が異世界の森につながっていた件~森の賢者は魔道具修理やさん~  作者: 海水『墓地ダンジョン』書籍化予定
第一章 森と工房

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
40/54

第5話 工房での一夜⑧

『魔導具の修理はできたのかい?』


 森を歩いているスフレの上から声が落ちてきた。スフレが見上げると、ママウサギが大木の枝に座っているのが目に入る。

 ママウサギは音もなく降り立ち、ロードコッコに並んだ。


『森の出口まで案内するよ』

「昨晩は見張ってくれていたようだな。感謝する」

『なに、カ(・)マ(・)エ(・)に(・)な(・)に(・)か(・)あ(・)っ(・)ち(・)ゃ(・)妾たちも困るのさ』


 構はぐっすり寝ていて知らないが、昨晩は工房の庭の近くにママウサギがいたのだ。早朝にチビウサギをけしかけたのもママウサギだ。


「おかげでこの子たちも安心して寝たようだ」


 スフレはロードコッコの首筋を撫でる。ロードコッコはあくまで乗騎だ。戦う種はバトルコッコだ。ロードコッコも戦闘はできるが、ママウサギの方が圧倒的に強い。ママウサギが敵意を見せていないので、ロードコッコ2羽は安心して寝られたのだ。


『それは何よりだねぇ』


 ママウサギの監視対象には、スフレたちも含んでいる。構に何かしようとしたらすぐにでも踏み込んでいたろう。それはスフレもわかっていた。

 あそこで森の住人と敵対するのは愚策だ。

 スフレはそれを思い知った。


『もう森が終わるよ』

「感謝する。まだ預けている魔導具があるのでまたお邪魔する予定だ」

『カマエに危害を加えないのなら勝手にするがいいさ』

「世話になった」


 ママウサギに見送られ、スフレとクッキーは森を出た。



㌢㌢㌢㌢㌢㌢㌢㌢㌢㌢



 森を出たふたりの旅程は順調だった。森に一番近い村に寄り、村長に様子を聞いた。


「ここ数日、魔獣の出現は減っております」

「いい傾向だ」


 村を出て草原を走る。街道もあるが道行く領民や商隊もおり、驚かせてはなるまいと道から少し離れていた。


「お嬢様、魔獣を感知! 左前方!」

「大筒を出せ。クッキーも構えろ。ふたりでやるぞ!」


 スフレがロードコッコの手綱を引き、進路を左に変える。前方に林が見えた。その入り口に巨大なイノシシがいる。構の工房にも体当たりした、魔獣化したイノシシだ。普通のイノシシの大きさの3倍ほどにもなっている。目を赤く染め、狂ったように咆哮していた。


「お嬢様!」


 クッキーが大筒を放り投げた。スフレが受け取り、右わきに抱える。クッキーも大筒を脇に抱えた。


「照射!」


 スフレが魔力を流すと、大筒の先端から太い光線が走る。光線が魔獣の胴体に当たり『ブモゥゥゥ』と激しく吠えた。魔獣の体から黒い霧が漏れ出し霧散する。


「よしいける! 突撃する、援護頼む!」

「了解です!」


 大筒を右わきに抱えたスフレは、空いている左手で逆手に剣を抜いた。くるりと剣を回して順手で握る。

 クッキーの大筒から光線が飛び、イノシシの魔獣に当たる。魔獣は『ブモゥゥ!』と悲鳴を上げて天を仰いだ。


「ダー、行くぞ!」

『コケーッ!』


 苦しげな悲鳴を上げる魔獣に対し、ロードコッコごとスフレが突っ込んだ。すれ違いざまに、魔獣の首に剣を落とす。

 確かな手応えで魔獣の首が落ちた。イノシシの魔獣がドドンと倒れる。


「大筒二発も食らえば首を落とすのも容易いな」


 普段は唯一残っていた大筒か、魔導具なしで戦っていたので騎士の負傷も多かった。これなら怪我を減らせると、スフレは頼もしく思えた。

 スフレは倒れた魔獣に近寄り、ロードコッコから飛び降りる。念のため剣を突き刺し、動かないことを確認した。


「お嬢様、持ち帰りますか?」

「魔核は帰ってから取ろう。マジックバッグに入れてくれ」

「わかりました」


 クッキーもロードコッコから飛び降りた。魔獣の死骸をマジックバッグに入れたクッキーはまたロードコッコに乗った。


「途中村に寄りつつ魔獣に遭遇すれば退治して帰るぞ」


 スフレはそう宣言する。魔獣を放置することはできない。修理された大筒のチェックも兼ねている。

 修理はされていると思ってはいるが念のためだ。


「もういなさそうだな」


 スフレは周囲を見渡す。クッキーも魔法で探知しているが反応はない。


「夕刻には戻りたい。急ぐぞ」


 スフレはロードコッコに飛び乗った。

 ふたりはその後いくつかの村に寄り道しつつ遭遇した魔獣を倒し、夕方前には領都の門をくぐったのだった。

 お世話になります、作者の海水です。


 現在、2000文字程度の毎日更新をしています。次の6話で第1章が終わって一区切りとなります。

 で、2章ですが、同じように2000文字区切りで行くか、それとももう少し、3000文字程度まで増やして、1話分が終わるまで毎日投稿にしてインターバルを取って次の話に行くか、どうしようか考えています。

 ストックの都合もあるはあるのですが(2章の最後を書いてます)本業も忙しくて毎日投稿はキツイなーと思い始めておりまして。『墓地ダン』の書籍化作業もありますし。

 1話をまとめて書いている都合上、投稿のために区切る作業が結構手間でして。いい感じに区切れないことも多くてですね。毎回ぶった切りで終わってしまって申し訳ないです。

 いっそ毎週1話丸まる15000文字程度でやっちゃうか?とも思いましたが、隙間時間にこの文字数を読むのも大変だよなぁーと。


 どうしたものかと悩んでおります。ご意見あれば教えていただきたく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。