第八の街へ到着
第八の街へ着くと最初に行ったのは掲示板への書き込みだった。
「ゴツゴツした岩肌を登りきると第八の街がある 近距離格闘集団より」
「っとこんなものでしょうかね、師匠」
「おう、十分だ」
てっきり第八の街にいると思っていたホワイトランスとレッドアイはいなかった。全員脱落したか、それとも脱落者が出て始まりの街で待機しているのか、それは分からなかった。
第八の街の宿屋は一泊20ゴールドもした。旅館のような豪邸で部屋には露天風呂もついている。エルとサスケがこの旅館に泊まるとき、まごついていたが、ユリがサッっと二人の分の宿泊代を出すと頭を下げて礼を言っていた。
出てくる料理も豪勢で言うことなしだ。露天風呂には後で水着を買って、ユリとジマの二人で入浴するつもりだ。
既に部屋の中では、飲めや歌えやの状態になっていた。サスケは成人しているが、お酒がそんなに強くないようだった。
「エルさーん。ひっく。どうしてそんなにお酒が強いんですか?」
「遺伝的な問題ね。だって家はみんなお酒が強い人達だもの」
「そんなぁ。おいらも、もっとお酒に強くなりたいですよぉ」
「逆に考えれば良いんじゃない?少ない量で適度に酔える。コスパ良しってね」
「そんなもんですかねぇ。あ、次おいらも歌います」
まるで八月の夜の終わりのようだった。
「じゃあ私達露天風呂浸かってくるから。のぞかないでよね」
ユリがそういうので、ジマも従って、露天風呂に行くことにした。
「やっと二人きりになれたね」
ユリが甘えてくる。
「ああ、そうだな」
抱きついてくるユリを受け入れるジマ。
「もう少し温い方が長風呂出来るよね。アイスボールっと。これで良し」
浴槽にはユリの作ったアイスボールが三つ浮かんでいた。光を反射してキラキラと輝いていた。
「ねぇ、キスして?」
そんなユリの誘惑に逆らえるわけがなかった。サキュバスになってから、なおのこと魅力的に見える。チュっと唇を重ねた。しかしユリは満足せず舌と舌を絡めたディープキスを求めてきた。くらくらしながら、付き合うジマ。これがのぼせたわけじゃないのは、ジマが一番分かっていた。
ようやく寝る時間になって、チャットがきていることに気づく。ホワイトランスとレッドアイからだった。
「どうやってゴツゴツした岩肌を攻略したの?」
「君達全員空を飛べるのかい?」
「アースステアズで階段を作って登りました」
「なるほど。その手があったか」
「なるほどねぇ。情報提供ありがとう」
「その調子だと、第八の街へは到着されてないようですね?」
「ああ、今晩は始まりの街で宿を取ることにするよ」
「同じく」
「明日掲示板にも書いてもらう予定ですが、第八の宿屋は一人頭一泊20ゴールドしますよ」
「なんだって!?」
「それはちょっと高いですね」
「というわけで、なるべく自分達で金策してくださいね。どうしようもない時は助けますから」
「分かった。頑張ってみる」
「闘技場で何とか稼いでこようじゃないか」
みんなが忘れているツルツルした石を叩くことをしているジマは、それだけ寝る時間が遅くなった。すやすや眠る女性陣に、ぐうぐう眠るリュウ、ゴーとイビキをかきながら眠るサスケと見ていると、眠り方まで個性があるなと感じた。




