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VR学園~c.p~  作者: 朔
第2章 吸血鬼編
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迷いの森を抜けて

リュウは、ナナとエル二人を担いできた。

「どっこいせっと。いくら軽いと言っても二人を一キロメートルも担いで歩くのはいささか疲れるものがあるな」

「お疲れ、リュウ。二人を部屋まで送ったら、リュウも寝て良いぞ」

「ああ、悪いけどそうさせてもらう」


迷いの森で散々歩かされたのだろう。リュウの顔には覇気がなかった。このあとユリと話し合って、お化けマッシュルームについて掲示板に書き込むことにした。なおその際、眠り耐性を持っていた方がいいことも明記しておいた。


「これで攻略一番乗りだな」

ジマはなんだかワクワクしてきた。と、同時に不安にもなる。攻略最前線は狙われるんじゃないかとか、嫉妬されるんじゃないかいったようなことである。しかし、みんながログアウトを目指している今、邪魔はされないような気もする。とりあえず今晩はもう寝ることにした。


次の日の朝。目覚めると、朝練のためのウォーミングアップをした。掲示板も見てみたが、まだ第六の街へ到着しているのは、ジマ達だけだった。

「さあ、朝練といこうじゃないか!」

ユリはやる気満々である。第六の街にはリングや道場があって、わざわざ始まりの街へ帰らなくても練習することが出来た。


ジークンドーにやられた三人はこの三日間、きっちりジークンドー対策をしていた。おかげで勝率は五分。リュウに至っては七割から八割ほど勝っていた。エルにリュウ対策を聞かれるほどだった。だから俺は

「ボクサーは足元がお留守だぞ」

とだけアドバイスした。


それだけで、またエルの連勝になったのだから、実力は伯仲しているのだろう。逆にユリ、ナナ、リュウの三人にはジークンドー対策を聞かれたが、

「スピードで圧倒しただけ」

としか答えられなかった。実際今ほどのスピードがなかったら、どうしていたかあまり想像したくない。おそらく近距離戦に持ち込んで、肘打ちと膝蹴りでどうにかしていたのだろう。


昼食も、たまにはNPCのお店で食べてみるかという話になった。第六の街の高級そうなレストランへ入店する。ランチタイムということもあって、お安く済ませることが出来た。そして味の感想はというと、

「美味しかった」

「美味かった」

と上々の感想だった。


「やっぱりNPCはこのシーピーで生きているわけだし、料理も上手くなるわな」

リュウの言うとおりだと思った。


昼練の後は、エルにナックルを作ってあげようと話になっていた。すると

「材料なら揃っています」

準備万端のようだ。

「今までは独り身の探求者だったものでしたから、ユニークモンスターを狩るまでやりこむのが普通だと思っていました」

さらっとすごいことを言うエル。


「まあ、ソロプレイでどこまでやるかは人それぞれだしな」

ちなみに四人ともソロプレイの時は、ユニークモンスターを倒すまでやっていた。


とりあえず、ヨウさんのお店に行こう。

「こんにちは、今大丈夫ですか?」

「はい、大丈夫ですよ。どうされました?」

「実は彼女にナックルを作ってもらいたいんです」


「はじめまして、ヨウです」

「はじめまして、エルです。よろしくお願いします」

「こちらこそよろしくお願いします」

「ナックルの他に作りたいものはありませんか?」

「ビッグフロッグの皮があるのですが、五人分なにか作れませんか?」

ジマが聞く。

「この量ですと、二人分の装備が限界かと思われます」

「では二人分で装備の強化をお願いします」

「あっ、装備の強化でしたか。それでしたら五人分の装備の強化が出来ますよ」

「是非それでお願いします」

こうして、五人分の装備の強化が決まった。

「明日のお昼頃までに出来ます。是非お時間を作ってお越し下さい」

「はい、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いします」


「贔屓にしているお店なんですか?」

「ああ、腕は信用して良いぞ」

エルの質問にジマが堂々と答えた。

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