迷いの森にて
ライメイさんのお店に行く。
「おっちゃん、アダルトバードの肉を持ってきたよ。美味しく料理してくれまんせ」
「おう、随分希少な肉を持ってきたな。任せろい。料理人としての腕が鳴るぜ」
しばらくすると、アダルトバードの油淋鶏が出てきた。
「油淋鶏も良いね!タレがたっぷりかかっていて美味しそう」
「ですね!ですね!美味しそうです」
女性陣が楽しそうにしている。
「旨いなぁ」
「ホントうめぇな」
男性陣は早くも舌鼓をうっている。アダルトバードは肉質が柔らかく、肉汁もたっぷり出る。とても美味しい鳥だった。
「焼き鳥はないの?おっちゃん?」
「そう来ると思って、焼き鳥も用意しておいたぜ」
「おお、流石はライメイさん」
「用意が良いな」
「おう、待ってました」
焼き鳥も美味しく頂いたところで、昼練に向かう。昼練は滞りなく終わった。
「人間観察のスキルをゲットしたおかげで、相手の種族が何か分かるようになったぜ」
「へー、それは便利だね!」
「それは街中を歩いていると、相手の種族が勝手に分かるということか?」
「いや、流石に集中するか、人間観察のスキルを使わないと分からない」
と、そんな話をしている間に、第五の街より先の話になった。
「どうする?第五の街より先に進んじゃう?」
「ふむふむ。第五の街より先は、モンスター十匹集めてユニークモンスターを湧かせるということが出来なくなっているみたいです」
「とりあえず進んでみようぜ」
相談の結果、第五の街より先に進むことにした。これでようやく、攻略組の仲間入りだ。
「次は迷いの森かぁ」
「どんな惑わしかたなんでしょうね、師匠」
「迷路みたいなものなんじゃないか?」
ナナと雑談をしている間に迷いの森へ着いた。
~ここは迷いの森。攻略すべく集った全ての来訪者達に同様の試練を与える~
目の前に上記の一文が浮かび上がってくる。
「同様の試練か、気になるな」
「進んでみなきゃ、何も分からないよ。レッツゴー」
「皆さん、はぐれないようにしましょうね」
「よし行くか」
最初の作戦は右戦法。分かれ道があれば、必ず右に進むというものだ。もし行き止まりなら一つ前に戻って反対の道を進めばいい。
しかしこの作戦をもってしても、なかなかゴールへはたどり着けない。なぜなら、途中で三本道になったり、スタートに戻されるといったことで、どこまで進んでいたか分からなくなってしまうからだ。終いには
「これ最初の分かれ道が左だったりするんじゃねーか?」
とリュウもぼやく程だった。ここで迷路に夢中になりすぎて、モンスターと一回も遭遇していないことに気づく。
「もしかしてモンスターを見つけるのが迷いの森の試練なんじゃないでしょうか?」
掲示板にも迷いの森のモンスター情報は一つも上がっていない。
「じゃあよく観察して、モンスターを見破らなきゃね」
繰り返すたび、どこか慣れのようなものが出てきて、
「効率重視で別々に進めば良いんじゃね?念のため二人一組で」
というリュウの提案もすんなり通った。ということで、第二の作戦は別々行動になった。
じゃんけんの結果、ジマとユリチーム、リュウとナナチームに決まった。
流石に索敵中に手はつながないジマとユリ。
「ハッ!」
突然声をあげるユリ。
「どうした!?」
と心配するジマ。
「これ麻痺草だ。それにこっちの花はなんだろな?」
不用意に花に近づき、花粉を吸ってしまうユリ。その瞬間バタッと倒れるユリ。
「おい、大丈夫かユリ!しっかりしろ!」
すぐさまユリの気道を確保するジマだったが、ユリは、すやすやと眠っていた。
「なんだよ、もう。心配かけるなよ・・・」
「でもユリが急に寝てしまったってことは、これが眠り草なのか」
綺麗な花がついているツルンとした草を見る。花粉の方が強力なのかもな、とジマは思って近づかないでいた。
かれこれ三十分は経ったろうか。ユリが目を覚ました。
「起きるまでずっとそばにいてくれたの?ありがとう」
「そんなの当たり前のことだ」
「あっ、あれ眠り草だから気をつけて」
「分かってるよ」
「でも眠り耐性をつけるために採取はしていこう」
転んでもただでは起きないユリだった。
この日は結局迷いの森の抜けかたが分からず、両チームとも宿に戻って休息を取ることにした。




