吸血鬼へ進化
「吸血鬼」の表示を見たジマは
「ようやく進化出来る」
と安易に考えていた。そしてそのまま吸血鬼へと進化したのだった。
吸血鬼になってまず驚いたのは、俊足強になっていたことだ。鬼の時は鈍足だったのだから、全く違う進化形態になっている。更に、相手の出血エフェクトを見ると攻撃力20%アップ、自身の出血エフェクトを見ると素早さ20%アップと書かれていた。
これはもしやレア進化なのでは、と思い、ユリ逹に話してみることにした。
「なあ、今吸血鬼に進化したんだが、レア進化だったりする?」
「なになに?吸血鬼って血をチューチュー吸われちゃうの?」
「ヴァンパイアですね」
「おい、今掲示板見てみたけど、吸血鬼なんて種族一切出てきてないぞ」
「普通鬼は大鬼に進化するみたいだ。筋力強、金棒での攻撃力20%アップと書いてある」
リュウが詳細を教えてくれる。
「分かった。攻略を進める為にも情報は公開した方が良いよな?」
「ああ、その方が良いと思う」
掲示板初めて使うけど、結構有益な情報も乗ってるんだな、と感じつつ吸血鬼の情報を載せる。
「これでよしっと」
「ねえねえ。吸血鬼なのに血は必要ないの?」
「ああ、血を吸う必要はないよ。ただ相手が出血のエフェクトを出すと攻撃力20%アップ。こっちが出血のエフェクトを出すと、素早さ20%アップらしい」
「ユリはやけに血を吸うことにこだわるな?」
「だって血を吸われるとかちょっとロマンチックな感じがするもん」
掲示板では吸血鬼への進化方法がなんなのか、議論が続いていた。
「金棒を一度も使っていない」
と書き込んでみたら、それだ、という返信があった。
「あとは出血したり、させた経験がある。他には、モンスター相手にスピード勝負をしていた」
掲示板はてんやわんやになっていた。
「ナナは属性魔法を使った経験はある?」
「いえ、師匠。己の拳一つで戦ってきました」
「じゃあナナもレア進化の可能性があるね」
「なあ、そろそろヘイゲンに行ってみないか?」
リュウの提案に他三人は頷く。
「ヘイゲンに行ったことある人ー?挙手!」
ユリが元気にそういうが、誰もヘイゲンへは行ったことがないらしい。
「じゃあヘイゲンに行くことは了解として、ナナにもナックル作ってもらおうぜ」
ということで、ミスリルゴーレムをちゃちゃっと倒して、ジマとナナの分のミスリルナックルを作ってもらうことにした。
「お久しぶりです。ヨウさん。ミスリルナックル二つお願いできますか?」
「お久しぶりです。もちろん大丈夫ですよ。そちらの方は新しいお仲間さんですか?」
「はい、ナナと言います。今後ともよろしくお願いします」
「はい、よろしくお願いします」
この前来た時よりも早い時間でミスリルナックルは完成した。
ミスリルナックル 星5
「ところで、今回はログアウト不可に巻き込まれて大変でしたね」
とジマが言うと
「ええ、お互い様ですね。でも私は、病気で入院している真っ最中なので、ほとんど影響がないんですよ」
「ご病気でしたか」
短い沈黙が流れる。
「聞いてくださいよー、ヨウさん。ジマったらログアウト不可になってから、わざわざログインしてきたんですよ!まったくもう!」
ユリが場の雰囲気を明るく変える。
「そうなんですね。あんまり無理しちゃダメですよジマさん」
「いやぁ、ユリやリュウを見捨てられないじゃないですかー。不可抗力ですよ」
「なんにしろ、シーピーに閉じ込められちゃったわけですから、みんなで協力しないといけないですね」
「ですね協力しましょう」
「ですです」
最後はリュウとナナも会話に参加してくれて嬉しくなった。




