ナナとフレンド登録
「弟子にしてくれ、と言われてもなぁ。俺自身修行の身だしな」
「そこをなんとかお願いします!」
ビシッと頭を下げるナナは、一向に引き下がる気がなさそうだ。それに彼女には格闘技の才能を感じる。
「仕方ない。俺なんかで良ければ、引き受けよう。名前はジマだ。良ければ、フレンド登録も済ませよう」
「はい。ありがとうございます。」
「はーい。私ともフレンド登録しようね。ナナちゃん」
「んじゃ、俺とも」
無事ユリとリュウともフレンド登録出来たようだ。ちゃん付けで呼ばれるのが恥ずかしいのか、多少うろたえているナナ。
「ナナはその、喧嘩の経験あるのか?憶測に過ぎないんだが」
「はい、バリバリ喧嘩してました」
なんというか俺達とは違う、強いのなりかただなぁ、と思ったのだった。ヤンキーなのだろう。だが、言葉遣いはしっかりしている。
「礼儀は結構キチンとしているみたいだけど、それは何で?」
「家は空手道場をしていて、礼儀作法はわりかししっかりされてきたんです」
「なるほどー。グレて喧嘩の道へ、って感じなのかな?」
「それもありますが、元々道場破りをしていて、その流れで喧嘩の道へ、と言う状態です」
「伝統空手?極真空手?」
「極真空手です」
「どうりで殴られても怯まないわけだ、でもローキックが効いてたのはなんで?」
「喧嘩でローキックを放ってこられることは、まずないですからね。そこが敗因の一つです」
ジマは随分と冷静に分析出来るもんだな、と思った。
「んじゃ、パーティーを組もう。あとタメ口で良いから。そうして」
「了解。パーティー組むのお願いします」
「今は人間観察の途中なんだ、一緒にやってみないか?」
「はい。よく分からないけどやってみます」
そこでジマはナナに、薬草と雑草と毒草を区別出来るようになったこと、これからの人間観察で相手の情報を鑑定出来るかもしれないことを話した。
それならばと、闘技場で最低ベットをしつつ、人間観察をすることになった。じーっと見つめること三時間。結局なんのスキルも手に入れられなかった。
「残念だな」
そういうリュウに
「本当だね」
同意するユリ。
「とりあえず昼食でも食べよう」
提案するジマ。
「良いですね。なんにします?」
快い返事をくれるナナ。
「じゃあ小魚を料理してもらおうよ」
ユリがそう言ってインベントリから小魚を出す。その時ユリが
「鑑定出来てる!」
と驚いている。
「ヤマメ、イワナ、ニジマスだって」
他三人も覗き込むが小魚としか表示されない。
「ユリは魚釣りで長時間魚を見てたから分かるんじゃないか?」
「その可能性が高いな」
リュウの発言に同意するジマ。
「これが鑑定の力ってやつですか」
ナナも興味深そうにしている。
この前来た料理屋でまた塩焼きとフライをお願いすることにした。注文の時、店長を試すため、
「ヤマメとイワナは塩焼きで。ニジマスはフライでお願いします」
とユリが言うと
「あいよ!嬢ちゃんも、魚鑑定出来るようになったんだな」
店長はお見通しと言ったところだった。
「このお店気に入ったので、良ければ俺達四人とフレンド登録してもらえませんか?」
「おうよ。ちょちょいのちょいだぜ」
見事にフレンド登録をしてもらって、料理に舌鼓を打つのだった。




