【三章】雑兵の定義
今日は朝から自分の訓練そっちのけで勇者達の面倒を見ることになってしまった。
内容的には昔と変わらず、まずは軽くランニングから。
「位置について、よーい、ドン。」
バザバサバキバサ
4人とも見事に茂みの中に突入しやがった。
後ろに控えていた護衛騎士たちを一瞥し酷く冷めた声で告げた。
「見てないで走れ。」
勇者達が規格外の早さで飛び出した事に驚いたんだろうが、とりあえずランニングは全員でやる予定だ。
なんというか、遠征に行ったメンバーのほとんどが急激に上がった基礎能力に対応できていない。
生活面でも結構あるらしいな、服を着るだけでも破ったりボタンを潰してしまったりするらしい、パワーレベリングによる弊害という奴だな。
基礎が出来てないウチにはしゃいだからそうなったんだ。
あとは、理性をなくせば狂戦士の仲間入りだ。
当然護衛騎士も茂みに突入なされた。
な~む~。
◇
「どうしたもんだかなぁ。」
岩の上で座りながら思わず呟いた。
意味はないんだ、まともにパワーレベリングした奴みたのなんか初めてなんだが、どうにもならん気がする。
なんというか危険すぎるんだ。
手加減が出来ないから、家に子供がいる奴は城に缶詰めにした。
それどころか、街中にだすのもはばかられる。
「これが、昔の勇者が始末された理由か。」
「ハラショー、言いたい事は解るが、恐ろしい事を言わないでくれるか。」
護衛騎士いや騎士団長様の耳に届いてしまったらしい。
「失礼しました。ただ、歴史の中にそんな事があったな…と。」
「出来るだけ早く、解決しなければならないが、レベル的にはまだ人の理解範疇だ。
早まった判断はしないで欲しい。」
「分かっております。」
オレは、本人が一生懸命やってるのを見てますから、どうこうするつもりはありません。
それに、この程度いますぐにでもならどうにか(・・・・・・)なるだろう。
「やっぱり、トコトン疲れさせるのが一番でしょうね。」
握力も残らないくらいに扱けば体が先に覚えてくれるさ。
「持久走が終わった奴から筋トレ開始っ!!
オラッ走れ走れ走れっ!」
ズタボロで座っていた一団に怒号ついでに、冷水を浴びせ追い立てる。
「モタモタしてる奴から、はっぱ隊にすっぞ。*訳脱がし鬼」
イチジクなんてないから、ノリ付けされて大変な事になるんだぜ?




