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ラストフライト

ピーピー


ガキの一人が笛を吹いてトロッコ型飛空盾を誘導する。


ピッピッぴーー!


《カタパルト接続完了》


伝声管からネドの声。てかアイツ姿が見えないと思ってたらちゃっかり避難してんじゃねえか。

でも、飛ぶ所をみたいなら外にいるしかないが酷くないか?

伝声管は山頂付近の山小屋に設置されているからそこから笛の音だけで状況を判断し声をだしているのだろう。


ピッピ―――


《誘導員及び作業員は避難してください。》


ピーピッ!

笛を鳴らしていたガキが扉の向こう側へ消えていった。


ビービー

今度はオレがラッパみたいなヤツを吹いて横におく。

《パイロットからの信号を確認。パイロットはテンションをもっとあげてください。》


うるせーよ、トロッコで飛び出すだけのはずなのになんでこんな事になってるんだ?


《全作業員は電磁魔法コード詠唱開始。》


魔法コードとは、攻撃魔法のような意味を持たせていない魔力そのものを発現させるための言葉。

公道の内部に十数人からなる魔法コードによる行き場のない魔力が溢れ青白く光始める


《可電粒子の縮退を確認・続いて電磁誘導レール展開》


トロッコの線路が放電を開始したかと思っていたら壁面からラインが伸びて機体がギリギリ通れるだけの通路を作り出した。見たわけではないが、おそらくそれは出口までしっかり続いているはずだ。


《シールドブースター点火シークエンスカウント開始・10・9・》


あまりな状況だが、唾を飲み込みのどをぬらす。

この後オレには大事な役割がある。

《3・2・1…》


「ルッシェ=シールドブースター出るっ!!《0》」




ボッッ!


シャシャシャシャシャ…ドウッ!!

坑道内部の空気を押し出しながらオレは空へ打ち上げられた。

射出から数分。

高度一万メーターで機体の上昇が停止した。


これからは目的地に向かい下降と上昇を繰り返していくだけだ。


こうなると減速が問題になるのだが鳶のように風を捉えて弧を描きながら下降していくしかない。

それに装甲服には耐熱耐圧耐気密化工もされているので、空気が薄くなるなんて事は無いから平気だ。



視界の隅に高速で飛ぶ影を捉えた。


「飛びトカゲがなぜこんなに!?」


それは、セプト山(住みか)が破壊される寸前に空へ逃げ出した感のいいエンシェントを冠するドラゴン達。

消えてしまった住みかに降りる事なく茫然と空を飛んでいたエンシェントドラゴンの悲しい姿だった。


グゴゥッ

ググゥッぐがががっ


空を飛ぶルッシェに酷く驚いた様子だったが、本能より理性に従いドラゴン達は雲の中に姿を消した。


「…肉が。」


残されたルッシェはそれを見て残念そうにつぶやいたという。



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