ガキ達?
「ここに来るのも久しぶりだな。」
ちょうど昼に別れたオレたちだが、オレは手製の小弓を自室に取りに帰っただけなので先についてしまったようだ。
オレがやって来たのはスラムの南にある山の南側が崩落により崖になってしまった鉱山。
廃坑になったのは二代前の王様の時代で、採掘していたのはアダマンタイト、いわゆる魔鉄と呼ばれる物の鉱石だったらしい。
ただ、極少量しか採れない上に硬い岩盤を掘削してゆく費用がかさみ採算が合わなくなり廃坑になったらしい。
現在はアダマンタイトは需要がなく、ミスリルが主流なので国は完全に手放してしまっている状態で市民はおろか国関係者すら今は訪れない。
そんな場所なんだが、オレたちスラム育ちにとってはいい秘密基地になっている。
他国なら盗賊のアジトになるのかもしれないが、盗賊がのさばれるほど我が国は甘くないと言うことだな。
「よくよく考えてみたら勇者様達はセプト山にまだ着いてない計算なんだよな。」
そもそも、勇者様達が出発してから二日目の昼過ぎだからようやく半分いったくらいか?
もし普通に参加したいと話したら可能だったんだろうか。
いや、死ぬ前提の話は忘れよう、それより今はキノコに全てをかけよう。
「悪い、遅くなった。」
後ろにガキ達を引き連れたネドがなぜかズタボロな姿でやってきた。
「…いや、そんなには待ってなかったんだが。」
ガキ達の姿も凄まじい、怪しいお面に腰ミノすがた小弓か棍棒を手にしている。
「なるほど、山遊びの最中だったか。」
「「「「ん。」」」
子供達が誇らしげに頷く。
山遊びなんて言い方したが、ちょっとした縄張り争いだ。
縄張りに入り込んだ獣を駆逐していた最中だったようだ。
まぁなんだ、ネドは縄張り争いに負けたらしいな。
「降参しても襲ってくんだもん、アレには参った。」
「「「ヨソモノシスベシ。」」」
ガキ達が木の枝を掲げている。まるで原始人かなんかだが、オレたちもあれやってたんだよな。
「思いっきり身内だろうがーっ!」
「「「「キャー!」」」」
おこった~♪とかいいながらちりじりに逃げていくガキ達をネドが追いかけていく。
つい最近会ったと言っていたから油断してたか。
このくらいはじゃれあいの範囲だからなぁ、昔と変わらず仲のいい事だ。
「森の掟は厳しいな…。」
「そんな掟ねぇよ。」
一人戻ってきたネドが上着を失って帰ってきた。
…この短時間になにがあったよ。
弱肉強食どころか生き残るためなら何でもするからなうちのガキ達は。
ゴブリンなんぞ、うちのガキ達と比べればよっぽど可愛いかもしれない。
「もう気がすんだだろうし、いくぞ。」気がすんだ、とはガキ達の事だ森に入った瞬間から格の違いを見せつけないとトコトン遊ばれる事が稀にあるんだから、なめられるような実力しがないネドが悪い。
さりげなく、右によけてやり先に行く事を促す。
「…わかってるよ。」
スタスタとネドが歩き出す。 今更なんだが、ネドが来るまで結構時間あったからちょっとイタズラしてやろうかとが刺激されたんだよな。
あんだけやりたい放題された奴だからちょっと止めといったやれば良かったなと思いながらオレも歩き出す。
「ぅおわっ!?」
先行していたネドの体がスポーンと地面の下に消えていった。いわゆる落とし穴という奴だ。穴を覗き込めば、ネドが穴の底で仰向けに転がっていた。
「チクショウッ!オマエもかー!!!!」
はっはっはっは♪




