結果的に
結果的に怒鳴られました。
EDになって死にたいから竜退治にいきたいですでは、無理だった。
当たり前か…。
生きてりゃもう一回くらいチャンスはあるさ。
◇
「絶倫茸だとっ!?」
オレは文字通り身を乗り出して友人に詰め寄る。
スラムに帰ってきたオレは、友人に相談していた。
最初は話す気なんかなかったのだが、いつのまにやら根掘り葉掘り暴かれていた。
「そう、滋養強壮は勿論、EDはおろか死んだじいさんですらおったつという噂の代物だ。
…少々お高いがな。」
「…やはり、高いのか。」
お高いとは、貴族御用達の高額アイテムを示す。
ミスリル剣辺りはお高い物で、ミスリルナイフはギリギリ高い物。
―私お安くなくってよ?
過去にそんな令嬢言葉が流行った時代があったらしくその頃から流れだそうだがどんな時代だったんだろうな。
友人ネドは商人見習いで、怪しい方面の仕入れを任されているらしく、絶倫茸もその中の一つだそうだ。
「ちなみにお値段はなんと十八万ギリーだ。」
「意外に安い?」
「…毎日使うらしいからな。」
「ブルジョワ共めっ!!」
流石上流階級おれの月給の半分を毎日消費とか凄すぎてオレなど話しにもならん。
オレたちスラムっ子にはとても無理だ、不意にバイアグラなる物が脳裏に浮かんだが成分も知らずにどうしろと…。
絶倫茸のがまだ希望があるわ。毎日使うくらいだから自生してる場所があるんだろうが、賞与休日も後1日しかないぞ?
「…自生地はわかるか?」
「カルド山脈の麓の湖周辺だったハズだ。」
カルド山脈か、勇者が手前のセプト山にいるはずだよな。
歩きと馬車で3日から4日、それから更に歩き詰めで4日…。こないだの炎竜の火山より遠いな。
それこそ、全開の全力疾走で1日で行って帰れないだろか?
いや、無理か。いろいろ引っかけてしまいそうだし山あり谷あり町あり人目ありを走破するのはかなり難しい。
そもそも目立ちすぎるよな。オリジナルの風魔法に飛べる奴はあるけど風や摩擦で服が脱げたり破れるからな。
「白いの着てけばいいじゃんか。」
「白いの…装甲服か?」
白の装甲服とは自作したトカゲ皮の鎧なんだが、次々と追加される装甲や、ほとんど意味のない機能のおかげで蜥蜴皮の鎧というよりロボット的なシルエットになっている。
外見的な理由により著作権がかかりそうだと封印したはずなんだけど。
「もし行くなら久しぶりにアレ着てってくんねぇ?」
「ん~、なんでまた?」
「こないだ面白い素材見つけたもんだからさ、あれに追加してみた訳よ。」
「…今度はなにつけたんだ。」
「ん~、ウチのガキ達が魔法だか魔力を増幅するっぽい石みっけてきたから、ちょいちょい各部にたしてみたのさ。」
「増幅アイテムか~、意味ないんじゃないか?」
魔力の増幅アイテムに関しては伝説ならたくさんあるが魔力が増えるとかいうと賢者の石とかの名前ついた奴が有名だな。
ただ、ウチのガキ達が手に入れたくらいだからまぁ大したもんじゃないんだろうが。
「わかった、間に合わないようなら引き返せばいいからな、支度しといてくれ。」
「りょーかい、そんじゃまた後でな。」
そう言って支度をするために別々に行動を開始した。




