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未来探偵ミツオ(麗しのクーマ その9)
クーマがゆっくりと近づいてきた。二人は抱き合ったままクーマから距離を取るために奥に逃げるさまはまるで社交ダンスのようだった。逃げようもなく奥に追い詰められる。サブが懇願に近い形で叫んだ。
「クーマ待て、お前誰に作ってもらったんだ。すくなくとも俺たちは作った覚えはないぞ」
クーマは歩みを止めない。一歩一歩と近づきながら口をせわしなく動かす。
「話せば長くなるのでずが、一人のだめ男の命がかかっていると言えば話を聞いてもらえるでしょうか」
冷静さを取り戻すミツオがサブから離れる。
「よし、話だけ聞いてみようじゃないか」
ミツオはかろうじて手が届いたカウンター上の灰皿を手元に引き寄せて煙草に火を点けた。クーマはうれしい感情を仕草で表現する。具体的には両手のこぶしをあごに下で揃え、片足を折り曲げてあげるぶりっこのポーズをした。サブはロボットとして余裕のある設計に舌を巻く。サブはクーマをいつか動かそうと基礎研究を続けていたので、目の前のクーマの出来のよさはすぐに分かった。




