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未来探偵ミツオ(麗しのクーマ その60)

 無重力になった瞬間をミツオは見逃さなかった。

 先に飛翔する矢を追うようにミツオが飛ぶ。

 先行する矢は針の糸を通す精度で二階部分に見えた操作盤のボタンをかすめた。

 ボタンが発光した。

 発光したボタンに反応したのは壁。目の前の壁はただの壁ではなかった。真ん中から上下にゆっくりと開く。

 真っ黒い、星の瞬きが美しい船外の光景が現実の恐怖となり二人に襲いかかる。空気と一緒にスクラップがみるみる吸い出される。

 宇宙服を着用する二人。自分が着ているスーツは、はたして船外活動に耐えうるスーツなのかの疑問がよぎる。

 山本親分は宙を舞うミツオの姿を見て、自分もあわてて地面を蹴った。しかしステーション本体の回転運動が再開され無重力状態ではなくなっていた。

 重力が発生していた。

 山本親分は、むなしくじたばたとその場での垂直ジャンプを繰り返すだけだった。その姿を見てミツオが伝える。

「あんたステーションに穴は開けなかったな。でもすまない。俺がでっかい穴を解放してしまった」

 ミツオは操作盤に手をかけながら様子をうかがう。山本親分が船外に吸い出された後、すみやかに扉を閉めるためだ。

 山本親分のいる階下には、つかまるものもない。

 宇宙空間へと続く扉の前にあるスクラップが順々に吸い出されていく。

 為すすべもなく山本親分は船外へと消えていった。

挿絵(By みてみん)

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