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未来探偵ミツオ(麗しのクーマ その59)

 ミツオがいくら身を隠しても、山本親分の衝撃波は手当たり次第に無に帰って行った。

 手頃な長さの鉄片を投げつけても、山本親分の体をかすることも出来ずに空中で消されていった。

「船の底に穴が空いても知らないぞ」

 ミツオが叫ぶ。

「知ったことではない」

 ミツオは、衝撃波の盾になるように、とにかくスクラップの奥へと身を差し込んだ。体をねじって空間を作り、アーチェリーを背中からはずす。そして矢をしずかに引いた。

 だが、ミツオはその状態で息を潜める。まるで何かを待つかのように。

 山本親分は饒舌だった。

「お前が誰だかは知らないが、そこにいるのは分かっているのに、身を潜めることに何の意味がある」

 いたぶるように衝撃波でスクラップをけずる。

 スクラップはミツオの生身まであと5mmの厚みしか残っていない。ミツオの体が衝撃波にさらされると思われた瞬間。なぜか重力が消え失せた。

 無重力。

 すべての鉄くずが一瞬で宙に舞う。

 山本親分も何が起こったのかが、すぐには理解出来ずいた。

 エリーがステーションの回転運動を止めたことに起因する、重力の消失。

 ミツオはその瞬間を待っていたように、宙をまう鉄と鉄の間をアーチェリーでねらう。一呼吸の沈黙の後、矢は射られた。ミツオはその矢を追いかけるように、足下のスクラップを蹴る。

挿絵(By みてみん)

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