未来探偵ミツオ(麗しのクーマ その61)おしまい
エピローグ
ミツオはロボ・ラビットレースの予想をしている。
「1枠のピーターが新しいアルゴリズムを搭載したという噂が捨てがたい。しかし新しいからといって、いいとも限らない」
「どうぞ」
エリーがコーヒーをいれてくれた。
「ありがとう」
ミツオは砂糖とミルクをありったけコーヒーカップに入れる。
「思考には糖分が一番必要」
ミツオはぶつぶつ言いながら、視線は打ち出した予想からはずさない。
エリーはミツオが無邪気にはしゃいでいるその姿を見ていた。
見ながらあの日の出来事を思い出す。
ミスターグリーンは突然現れたグリーン星人共々、あとかたもなく消え失せた。
制御室に再び戻ってきたミツオが、エリーに恨みを持つ人物に襲われた話をした。
「山本親分はその後どうなったの?」
エリーはミツオに聞いた。
「宇宙空間に放り出されたが、あいつはスーツを着ていた。すぐには死なない」
エリーは思った。山本親分は、私をつけねらうかもしれない。
「山本親分が生きていれば、私が狙われます。ミツオさんに迷惑がかかります。私、ミツオさんの前から少しの間、姿を消したほうがいいかもしれません」
ミツオはエリーの肩に手をそえる。
「あいつは、俺も狙う。そんなことをしなくても同じことだ。そばにいてくれ」
その会話を見ていたバッド・チューン博士は、地球に戻った後、クーマ二匹と一緒に姿を消した。
メディアのフラッシュが、サブをまぶしく照らす。
クーマの本当の生みの親として脚光を浴びている。
ミツオがメディアの画面を見ながらタバコに火をつけた後、エリーに言う。
「ジャン親分を押しつぶしていた時限装置つきの罠。ミスターグリーンの消失と同時に解除されてよかった」
「そうですね。ジャン親分も案外、律儀な人で約束どおりサブを表舞台に引き上げてくれましたね」
ミツオが深く吸い込んだ煙を大量に吐き出す。
「そんなことなら、個人的な成功報酬を盛り込んでおけばよかった」
ミツオの余計な一言を残して事件は幕を下ろした。
おしまい




