未来探偵ミツオ(麗しのクーマ その56)
ミスターグリーンは煮え切らない態度のクーマに怒号を発しながら実力行使に出ようと足を踏み出す。
直後、その場にいた全員が宙に浮く。
クーマはもう一人のクーマを抱き抱えていた。
このステーションは重力を発生するために回転している。その回転は宙を飛ぶ手裏剣のような動きを行っている。
エリーは皆が宙に浮く直前、床にねじ伏せられている状態で考えていた。
ミスターグリーンが重力を操る攻撃なら、こちらも重力をコントロールする。
エリーはステーションの制御システムに侵入する。そして重力を発生させている回転運動を緩める指示を上書きした。
直後、ステーションのなめらかな回転運動はぎくしゃくとした不安定な間欠運動に変動した。
ステーションの回転が変化するタイミングを知らないミスターグリーンは不意をつかれた。
エリーはその瞬間を待っていた。ミスターグリーンの重力攻撃は目標を見失う。
体が動かせるようになったエリーは床を蹴り、一気にミスターグリーンとの距離をつめる。ミスターグリーンにとっては突然エリーが眼前に現れたと錯覚したに違いない。エリーが小さくつぶやく。
「かってなことは一人でやって」
エリーはミスターグリーンの首をつかみ電撃をあたえる。つかんだ手のひらからは同時に針状のユニットをミスターグリーンの首に残した。
このユニットは人間、動駆、ともに行動の始まりある筋肉への電気信号を相殺させる。
つまり少しでもどこかを動かそうとすると、発生した電気を相殺させる電気が送り込まれる。
結果としてその場に倒れ込み、解除されるまで動けない。
エリーは無言でミスターグリーンを見下ろしていた。
冷静になったクーマは、腕の中にいるもう一人のクーマと向き合う。クーマの腕からエネルギー体を取り外した。
青く、妖しく輝くエネルギー体を手にしながらクーマは小首をかしげる。
「どうしましょうコレ」
一同は青い球体を凝視し、沈黙するしかなかった。




