未来探偵ミツオ(麗しのクーマ その55)
ミスターグリーンの怒りが再燃していた。
「取り戻したら今度はエネルギー増幅装置を搭載したこいつがすり替わっていた」
きょとんとしたクーマが真剣な表情のクーマを不思議そうにのぞき込む。
エリーが核心を確認したい欲求に負けて口を挟む。
「結局、あなたここで何をするつもり」
ミスターグリーンは待ってましたとばかり一呼吸おいた。そして存在欲求を満たす快楽をはやく得ようとしていた。
「星を入れ替える」
エリー、博士、クーマでさえも戦慄をおぼえる一言だった。
「惑星グリーンと地球をまるごといれかえる。地表にいる生物がどうなるかは知らない」
エリーがミスターグリーンが言い終わる前に前方に跳ねる。右、左と攪乱する。何とか自分の拳が届く範囲にまで跳ねたい。エリーは祈るように行動する。当然、跳ねる直前には光学迷彩を発動し、姿を消している。
グリーンは一ミリの動揺もなかった。伸ばした腕をほんの少し動かしただけだ。
地面に打ち付けられる音だけが室内にこだまする。
姿は見えないが、ゆれる景色が事実を表していた。エリーは大の字で床に固定されている。
「こいつは重力をあやつるのか」
エリーは瞬時に理解した。
そして同時にバッドチューン博士も床に打ち倒されていた。
本物のクーマだけが呆然とその様子を見ている。
「ということでクーマ君、君にはこのエネルギー体を増幅してもらう使命がある。どうぞこちらに来てもらおうか」
「いやだ」
クーマはどうしていいかわからかい、そう返答するのが精一杯だった。
「そうか」
ミスターグリーンがつぶやいた直後、床に寝ころぶ二人から悲鳴が上がる。
クーマはますます混乱したが、そのとき、電子会議室にエリーが入室し、クーマに指示を出した。




