未来探偵ミツオ(麗しのクーマ その48)
ミスターグリーンは落ち着き払っている。自信に満ちあふれていた。機体は上昇を続け、周囲は真っ黒の漆黒につつまれている。重力はすでにない。クーマと共に空中をさまよいながら全面透明の壁から外を優雅に眺めている。
「クーマ、あれだな」
「はい緑さん」
クーマはミスター・グリーンを緑さんと呼ぶようにミスター・グリーン本人が変更していた。
クーマは今乗っている透明の箱型飛行隊のメインシステムにアクセスしている。すでに行く先は自由に変えることのできる状態だった。クーマとグリーンが見ているのものは、巨大な×の形をした施設。十字のそれぞれの先からキューブ状に成形された固まりが次から次に打ち出されているその施設は、ジャン親分の宇宙ゴミ処理ステーションだった。
透明の機体は十字がクロスする本体部分めがけて進行している。
外部ドッキングベイめがけて機体を設置したクーマは、すかさずステーションのシステムに侵入する。
ステーションのハッチが音もなく開いた。強制的にあけたハッチにクーマは機体をすべりこませる。
「入りましたね」
一部始終はエリー達の船からのカメラアイが捕らえていた。光学的にカメラには不利な空気のない空間では、どこまでも引き寄せて見ることが可能だった。
「あれはジャン親分のゴミ処理施設です」
サブが説明を続ける。
「宇宙ゴミを地表めがけて撃つと大気圏で燃え尽きるのです。違法ですけれど、各国が過去に打ち上げた不要な衛星を回収、廃棄までやるジャン親分のビジネスは国家間では重宝されているようです」
ミツオは考えを巡らしていた。
「ミスター・グリーンは、おそらくあそこに侵入することまで計算していたはずだ。いったいここからどうするつもりなのだろう」
ミツオの表情はくもる。




