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未来探偵ミツオ(麗しのクーマ その5)
ジャン・レオナルドは腕を引き絞り、視線を的に見据えていた。この瞬間が最高に好きだった。
年齢を重ねて、やっと今の地位に上り詰めた男の顔には、しわが深く刻まれている。だが、眼光の鋭さは常人の域を超えていた。体は引き締まり、気力でみなぎっているように見えた。矢が放たれる直前の張り詰めた弓の張力を指先に感じる。だが、今は自身を責めていた。こんな奴に足下をすくわれるとは思ってもいなかったからだ。ジャンの視線の先には口にバラの花を一輪くわえた男がイスに縛られていた。その男は全身緑色の服装に身を包んでいる。ジャンとの距離は10メートルほどある。ジャンはその男のくわえているバラを射抜こうとしていた。
「俺から盗んだデータの所在を言え」
ジャンはグリーンマンと呼ばれる男に最後通知を伝えた。グリーンマンは身振りで口にくわえているバラを指さしその後、懇願のポーズを現す。
「話せないか」
ジャンはすぐ近くでたたずむ男に目配せをする。自然岩を割ることが得意技である事からロックと呼ばれている第一の子分がグリーンマンに近づき、太い腕から生える太い指でバラをつまむ




