未来探偵ミツオ(麗しのクーマ その44)
ミツオは呆然と天井を見上げるしかなかった。ぽっかりと開いた空間からは晴れることのない曇天が見える。霧雨がミツオの頬を濡らす。
屋根はゆっくりと閉じ、何事もなかったように元の天井になった。
部屋の中に残されたミツオはもう一人の人物ジャン親分を見た。
ミスターグリーンが排出される最後に何かの攻撃を繰り出したようにミツオには見えた。そのせいなのだろう。ジャン親分は床に這いつくばっている。はいつくばる親分の額には数字が表示されていた。
47時間55分58秒、57秒、56秒。数字は減り続けている。カウントダウンしていることを表している。
ミツオはジャン親分に話しかける。
「あんたには見えないだろうが、あんたの額に数字が浮かび上がっている」
ミツオは手直にあった鏡を見せた。ジャン親分は自分の顔を凝視したのち口を開いた。
「体が重くてこの場所から動けない。おしつかる力は時間を追うごとに強くなってくるような気がする。おそらく48時間後、俺をひねりつぶすという置きみやげなのだろう」
ミツオはタバコに火を付ける。そのタバコを親分にくわえさせた。親分は苦しそうだが、うまそうに煙をはきだしながらミツオに懇願する。
「あいつを捕まえてくれないか」
ミツオは視線をはずす。しばらく考えた後に返答する。
「ちなみにどこに飛ばしたんだ」
「どこまでもだ」
「どこまでもとは、具体的にどれくらいだ」
ジャン親分は自分の置かれた悲惨な状況下でも不敵な笑みをうかべて、得意そうに話しだす。
「あの小箱のエンジンは無限の動力で動いている。俺の船のはもっと強力だが、まあいいエンジンだ。壁もああ見えてとんでもない強度で設計してある。だから、大気圏を突き抜け、地球の重力さえも切り離し、どこまでも、どこまでも飛んでいく」
「それを、どうやって捕まえる」
「さあ、そこだよ」
ジャン親分は沈黙した。




