未来探偵ミツオ(麗しのクーマ その33)
バッド・チューン博士はエリーと階下の山本親分の間に立ちはだかる。山本親分が見上げながら口を開く。
「博士、あんたどうする気だい」
上半身はだかの博士は親分を見下ろしている。
「ご自慢のやつをいただこうか」
博士は右手を前方にかまえて、おどけた仕草を親分に提示する。
親分の目つきが変わる。
「死ぬぞ」
「死ぬかどうかは、ほれ、やってみないと分からない」
博士が自分の首をぽんとたたいた。「そうか、もういい」
親分は自分の中で何かを決めたようだった。
いともあっけなく親分は原子波を放った。
バッドチューン博士は目を見開く。
次の瞬間に起こった事は、エリー
には現実味ない、ゆっくりとしたスローモーションで見えた。
まず、博士の背中がぱっくりと割れた。
その割れた背中から何かが飛び出してきた。
半ズボンをはいた男の子に見えた。 抜け殻となった博士の体は、一瞬で巨大な幕となり、エリー達の前に立ち塞がる。
幕は親分の放った原子波を球状に包み込んだ。
幕は一瞬、体積が小さくなった後、膨れ上がる。
増幅された原子波がそのまま発射された場所に弾き前された。
一瞬の出来事だったが、山本親分は人とは思えない反射速度で前方に回避した。
原子波は親分の背後の壁を砕く。
増幅された威力は、この建物が海岸沿いにある地下三階であることをあらためて思い知ることができた。
海と建物をへだてている壁に穴が開いた。
一気に海水がなだれ込んできた。
親分、博士、エリーすべての人物を一瞬で海水が飲み込んだ。




