未来探偵ミツオ(麗しのクーマその27)
光学迷彩をまとうエリーは慎重にドアを開けて、階下へと向かう階段を探す。いくら光学迷彩でも一見、遠目で見る分には誰もいないように見えるが、至近距離ではさすがに不審を抱く者もいるかもしれない。そう考えるとうかつな行動は控えるべきだとエリーは考えていた。
エリーのネットワークにアクセスして来たものがいた。アバターで表示されている人物は小柄な女性。短パン、ヘソ出しの服装、派手な化粧はピエロを模している。
「もしかしてバッド・チューン博士ですか」
「私、非常に困っています。クーマに助けを求めました。リスクもあるかと思いますが、助けて頂けるとありがたいです」
バッド・チューンは胸の前で手を合わせている。エリーはその姿を見ながら返答する。
「成り行き上ですが、クーマの頼みにより、貴方をここから出すと決めました。実はもう建物に侵入中です。今、どういう状況ですか」
「はい、階段で下がって、地下三階の奥まった部屋に閉じ込められています」
エリーはバッド・チューンが体験した邸内の映像を共有した。
「大体分かりました。では後ほど」
「ちなみにどうやってここから逃げるつもりですか」
「私に考えがあります。ちなみに山本親分の趣味は熱帯魚と聞きます。その部屋にも魚はいますか」
「いますよ。とんでもなく大きな水槽に熱帯魚が泳いでいます」
「では後ほど」
エリーは交信を絶つと、バッド・チューンが階下へと降りた奥から二番目のドアを開けた。




