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未来探偵ミツオ(麗しのクーマ その26)

 山本邸内の作りは日本家屋を踏襲していた。ふすま、木の梁、上がりかまち。しかしエリーが手を触れたそれらは、金属のひややかな感触を伝える。照明にはかがり火がたかれ、あんどんのロウソクが揺らめいた光を空間に与えている。それらもすべて本物ではないデジタルの生み出した産物なのはエリーにも分かった。

 エリーは人の気配を感じない廊下を走った。とにかく降りる階段を目指す。

 しかし扉ばかりが左右の廊下には並んでいる。どこに何があるのかが分かりにくい作りとなっていることにエリーは閉口し途方にくれる。

 慌ててクーマに連絡を取る。

「山本邸に入った」

 電子会議室にエリーはアクセスする。

 エリーの二頭身アバターの前では、

クーマのイケメンアバターが何やら息を殺して四つん這いになっている。その姿でクーマが口を開く。

「こちらもジャン邸に侵入成功したくま。これからどうしようかなと潜んでいる最中くま」

「そんなときに申し訳ないけれど、山本邸の構造が分かるマップはないかな」

 四つん這いのイケメンが困った表情を浮かべる。

「無いくま~」

「そうだよね」

 エリーの二頭身アバターも残念なジェスチャーを演じる。

「でも安心するくま。実は博士と繋がっているくま」

 エリーは驚く。

「どうやって連絡をとっているの」

「博士は体内にモジュールを埋め込んでいるくま。だから山本親分にもまだモジュールの存在は気づかれていないくま」

「そうなんだ」

「博士の通信ラインをそっちに渡すくま。博士に直接聞くといいくま。こちらも次のステップに突入するくま。連絡断」

「気をつけてね」

 エリーはそう伝えるのがやっとだった。

挿絵(By みてみん)

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